偽善者
なし
そんな私であるので
自分がどこに所属しているか
わからない
発車ぎりぎりの
バスで
多分
私がこないだろうで
いらつく
学生課職員 よしおに
学籍番号を言い
最後のバスであるこのバスに
よしおと共に乗り込んだ
いや押し込まれた。
本当に流れ者はいなかったのか
あと少しで流れ者に
なれたかと思うと
また
健さんを思い出し
少し
涙ぐんだ
去る者は追わず。
後日談だが
去る者が若干名いたそうだ。
永遠にたどりつかない
尊敬。
さてそんな
私の氣持ちにはおかまいなく
バスはどんどん進んでいく
はじめの頃こそ
携帯片手にぺこぺこ
頭をさげ
さも私は悪くないを
演じていたよしおも
快調にすすみ
先発隊に
近づくことを
確認できると
不機嫌さがなくなったようだ
しかしながら
それに反比例しながら
私の心は沈んでいく
何年も前からの親友
みたいな顔で
座席でしゃべる
周りの人々
なぜか
最後尾が空いていて
本当によかった
みんなの無言の
追い立てか。
一人だ
すがすがしさもあり
少しの寂しさも
あるが
氣疲れするよりは
ましか
どこでもいる
おせっかいな
ヤツが菓子を
まわしながら
情報収集にこないうちに
眠ってやろうと
眼をとじた
幸い自分のアピールに
精一杯の人々だらけで
一握りの
偽善者もなく
平和に
私は
深い眠りにつくことができた。
なし