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第39話 怪獣大戦争1

【ファルスーノルン過去:新星歴4814年7月1日】



ファルスーノルン星。


極帝の魔王ノアーナ・イル・グランギアドールが構築したシステムだ。

完成を見たのは約1万年前。


だが。

実験段階からとすると、実は10万年以上前にこの星は存在していた。


試行錯誤、改造に遊び心。

星間戦争に巻き込まれず、無事だったことも大きなきっかけ。


結果この惑星がノアーナにとってメインとなった。


自然と魔力の融合により、豊かに生命を謳歌できるよう組まれた完成形。

それは人のみだけではなく。

人知を超える伝説級のモンスターにも適応される。


進化をつづける多くの生物。

当然それが原因で星が滅んだら本末転倒。


何重にも組み上げた呪縛により限定したエリアのみの生息を可能とし、万が一そのエリアを逸脱した場合は即座に存在が消滅するようにしていた。


しかし今回起きたイレギュラー。


魔王のルールは誰にも破れない。

もし破れるものが居るとすれば、本人のみ。


そして今回。

ほぼ同じ存在がばら撒かれてしまったことにより、この星は滅びの危機に直面していた。


件の大怪獣の1体が、結晶化していた存在を吸収し進化してしまったのだ。

【誕生】の権能を持つエリスラーナがその胎動に反応できたのは不幸中の幸い。



戦闘という一点に絞ればノアーナが行けば問題はない。


しかし本人が行けば能力を吸収されてしまう。

どんな大災害が起こるか予想すらできない。


滅ぼすだけなら手段はある。

最悪神々に渡さなかった【創造】【破壊】の権能。


しかし能力の調整はほぼできないため、星ごと滅ぼしてしまう可能性が高かった。



※※※※※



会議室は重い空気に包まれる。

そんな時エリスラーナが口を開く。


「ノアーナ様。――怪獣?…何?」

「…バハムルト…伝説の上位ドラゴン。まあ、『竜の王』だ」


エリスラーナのジト目が俺に突き刺さる。


「じいいいいいい……」

「っ!?お、大昔に格好いいから創造した。――たまに見ようと思って……すまないっ!」


――後悔先に立たず、とはまさにこのことだ。


「トカゲ不敬!!…龍の王は私。倒す!」


瞳に闘志をのせ、エリスラーナは音を立て立ち上がる。


「ダラスリニア、一緒に行く」

「……うん…わかった…いく」


感知できたバハムルトの存在値約30000。


確かに現実的に見て。

実力的に可能性が高いのはこの二人だ。

 

「ご褒美、期待」

「…………んふ♡」



爛々と煌めく二人の瞳。

ノアーナの背筋に寒いものが走ったのは言うまでもない。



※※※※※



レイノート大陸の西。

ラルウバニア海のその先。


ガルンシア島と呼ばれる、島と呼ぶには広大な面積を誇る、原生林に包まれた歴史上未踏とされる秘境が広がっていた。


魔法石の探知。

この島の中央を指し示す。


どうやら件の『大怪獣』は、そこにいるようだ。

エリスラーナとダラスリニアはお互い頷き合い。


転移で目指す場所へとんだ。


煌めく残滓。

それを残して。



※※※※※



「っ!?」

「…くっ!??」


転移直後――

超高温のブレスが二人に襲い掛かった。


とっさに展開した防御壁は紙くずのように破壊され、二人は深いダメージを受け数十メートル吹き飛ばされた。


この世界において神は絶対の力を持つ。

権能などなくても、ほとんどの生物は傷一つつけることはできない。


この大怪獣、バハムルトが規格外なのだ。



エリスラーナとダラスリニアはよろよろと立ち上がり、ブレスが放たれた方角を睨み付けた。



かつてない殺気をほとばらせながら。



神の本気。

超絶バトルが幕を開ける。


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