第3話 新たな力の兆し
3日坊主になりませんでしたやったー
……4日目出せたらなのか?どうだっけ?
翠がリシアと共に宿を出発してから、数日が経った。
村を後にして、二人は森を抜け、さらに奥深い場所へと向かっていた。
リシアは途中で精霊族の古老たちに会い、翠が持つ「翠の絆」の力についての手がかりを探していたが、未だに確かな情報は得られていなかった。
「これだけ歩いても、何も進展がないってことか…?」
翠は不安そうに言った。
二人が向かっている先には、古代の遺跡があるという話だったが、何も見つからないまま森の中を歩き続けることに、次第に疑念を抱き始めていた。
「大丈夫です、翠さん。焦らずにいきましょう。」
リシアは柔らかく微笑んで、前を歩きながら言った。
「遺跡には、何かしらの手がかりがあるはずです。」
「それにしても、この森…なんだか、どこか不気味だな。」
翠は辺りを見回しながら、徐々に空気が重くなってきているのを感じていた。
木々がひしめき合う中、薄暗い雰囲気が漂っている。
「そうですね、でもこの森は精霊たちの力が強い場所でもあります。おそらく、その力が何かを守っているのかもしれません。」
リシアは一歩一歩確実に足を踏みしめながら歩き続けた。
「ただ、あまり油断はできません。異世界の闇の勢力が近づいてきている可能性もあるから。」
その言葉を聞いて、翠の心に一抹の不安がよぎった。
異世界の闇の勢力…それがどれほどの力を持つものなのか、まだ実感が湧いていないが、何かしらの脅威が迫っていることだけは確かだ。
「リシア、俺、まだ自分に何の力があるのか分からないよ。」
翠は足を止めて、リシアを振り返った。
「あんたが言う『翠の絆』っていう力、俺には全然実感がないし、何も感じないんだ。」
リシアは少し歩みを止めて、静かに彼を見つめた。
「それは、貴方がまだその力を覚醒させていないからです。でも、焦らないでください。力は自分で気づくものではなく、状況に応じて自然に目覚めることがあります。」
「でもさ…もし、俺がその力を持ってるんだとしたら、今まで何も感じなかったことに不安しか感じないよ。」
翠の言葉には、冷徹な現実を前にした不安がにじんでいた。
リシアはしばらく黙って、静かに息を吐いた後、穏やかな笑みを浮かべた。
「力を覚醒させるには、心が平穏であることが大切です。焦れば焦るほど、その力は引き出せません。」
「心が平穏か…」
翠は自分の心がどれだけ乱れているのかを考えた。
確かに、今は不安と疑念でいっぱいだ。
それに、突然異世界に呼ばれてきて、使命を果たさなければならないという重圧に押しつぶされそうになっている。
「それなら、どうすればいいんだ?」
翠はリシアに尋ねた。
リシアは立ち止まり、空を見上げてから答えた。
「まずは、この遺跡に到達することが第一の目標です。遺跡に着けば、そこに隠された何かが貴方の力を引き出すかもしれません。」
「それに、これから何が待っているか分からないから、心を落ち着けるために、少しだけリラックスして歩きましょう。」
「わかった。」
その後、二人は遺跡を目指して歩き続けた。
森の中は次第に霧が立ち込め、視界が悪くなってきたが、リシアは迷うことなく先導していった。
そして、午後遅く、ようやく遺跡の入口が見えてきた。
石造りの巨大な門が森の中にひっそりと立っており、その周囲には古代の文字が彫られている。
どこか神秘的な雰囲気を放つその遺跡に、翠は思わず息を呑んだ。
「これが、遺跡か…」
リシアは立ち止まり、静かに言った。
「はい。ここが、貴方の力を覚醒させるための場所です。」
「力を覚醒させる…」
翠は再び心の中でつぶやいた。
これから何が待っているのか、どうして自分がこの場所に来たのか、全ての答えを求めるように、遺跡の中に足を踏み入れることを決意した。
二人は慎重に遺跡の中へと足を進めた。
石の階段を下りると、広い広間に出た。
その中心には、古びた祭壇があり、その上には光る宝石のようなものが安置されていた。
「ここで、何が起こるんだ?」
翠は恐る恐る祭壇に近づいた。
「これが、翠の絆の源です。」
リシアが静かに言った。
「その宝石を触れることで、貴方の力が覚醒するはずです。」
翠はその宝石をじっと見つめた。
何も分からないままで、手を伸ばすのは怖かった。
しかし、リシアの言葉が彼を支えていた。
翠は深呼吸をして、宝石に手を伸ばした。
その瞬間、体の中で何かが震えるような感覚が走った。
まるで、何かが目を覚ましたかのような、力強い鼓動が胸の中で響く。
そして、その時、翠の体を強い光が包み込んだ。
微妙な終わり方ですみません……
ちょっと前に書いたもの修正したやつなので誤字脱字が酷いんですよね…