第2話 不安と決意の間で
受験不安がいっぱいです……
そんなことより続き書け?
アッハイ()
翠とリシアは森の中を歩きながら、少しずつその世界についての話を進めていった。
リシアは彼にこの世界の構造や歴史、そして「翠の絆」について教えてくれたが、翠の心はどうしても晴れなかった。
「だから、俺がこの世界を救うってことなのか?」
翠が歩みながら、再びリシアに問いかける。
「はい、そうです。」
リシアは少しだけ視線を外しながら答えた。
「貴方が選ばれたのは、この世界にとって非常に重要なことだからです。」
「でも…俺はただの大学生だし、こんな話信じられないよ。だって、俺が来たことで世界が変わるっていうのは、どう考えても現実的じゃないだろ?」
翠の言葉には強い疑念がこもっていた。
突然異世界に召喚され、命をかけて戦う運命を背負うなんて、現実的に考えられるわけがない。
「理解できます。私も最初は信じられませんでした。」
リシアは翠を見て、少しだけ微笑んだ。
「でも、実際にこうして貴方と出会った。世界は確実に変わりつつあります。そして、貴方にはその力があるはずです。」
翠は黙って歩き続けた。
リシアの言葉には真摯なものがあったが、それでも心の中で何かが納得できない。
自分がこんな世界に引き寄せられた理由を、どうしても理解できなかった。
しばらく歩いた後、リシアが足を止めた。
「ここです。」
翠も足を止め、前方を見つめた。
そこには、一見して普通の村のような小さな集落が見えた。
家々は木造で、煙突からは軽く煙が立ち上っている。
道端には野菜や果物を売っている店もあり、村の人々は穏やかな雰囲気で暮らしているようだ。
「ここが、リシアの故郷…なのか?」
翠は、リシアの顔をちらりと見た。
「はい。この村は、私たち精霊族の拠点の一つです。」
リシアの表情は少し固く、遠くを見つめているように感じた。
「精霊族の拠点?」
翠は疑問を抱えつつ、村へと足を踏み入れた。
村の人々は、彼らに気づくと少し驚いたように目を向けてきたが、リシアに気づくとすぐに穏やかな笑顔を向けてくれた。
どうやらリシアはこの村ではよく知られている存在のようだ。
「リシア様!」
村の広場で、数人の人々が駆け寄ってきた。若い女性や中年の男性たちだ。
「お帰りなさい。元気そうですね。」
「おかえり、リシア。大丈夫か?」
「何か問題でも…?」
リシアはその一人一人に微笑みを返し、彼らの心配を和らげるように言った。
「大丈夫です、心配しないでください。」
そして、翠に向かって手を差し伸べた。
「こちらが、私が話していた幸山翠さんです。」
村人たちは翠を見つめたが、すぐに笑顔を見せて一礼した。
「ようこそ、翠さん。この村へ。」
翠は戸惑いながらも軽く頭を下げた。
「あ、どうも…」
「さて、少し休んでから話を続けましょうか。」
リシアが言うと、村人たちはすぐに宿を準備し始め、翠も何とかその場の雰囲気に飲み込まれていった。
宿に案内された後、翠はようやくリシアに話しかけることができた。
「リシア、さっき言ってた『翠の絆』って一体何なんだ?俺が何をすればいいのか、まったく分からないよ。」
リシアは少し考えるように目を閉じ、
「まずは、この世界で何が起こっているのか、少しでも知ってもらわないといけません。」
彼女は座っていた椅子から立ち上がり、窓の外を見つめながら続けた。
「闇の勢力が着々と力を蓄えてきています。彼らの目標は、世界を支配すること。私たち精霊族もその脅威に晒されています。」
「闇の勢力?」
翠はその言葉に強い警戒心を抱いた。
「どんな連中なんだ?」
「それについては、もう少し詳しく調べないといけませんが、少なくとも彼らは一つの大きな組織を形成していて、魔法や暗黒の力を使いこなしています。」
リシアは顔を少し引き締めた。
「私たちは、彼らの計画を阻止しなければなりません。」
「阻止…か。」
翠は窓の外を見つめ、思わず深いため息をついた。
彼がこの世界に来た理由は、まだ分からない。
ただ、リシアが言う「翠の絆」という力を使うために、何かをしなければならないのだろうか。
「でも、どうして俺なんだ?こんな世界で、俺が何かできるのか…?」
リシアはしばらく沈黙した後、静かに言った。
「貴方には、未知の力が宿っている。『翠の絆』は、その力を引き出すために存在するものなのです。だから、貴方が覚醒すれば、この世界を守るために重要な役割を果たせるはずです。」
翠は、まだその力を信じることができなかった。
しかし、リシアの瞳に込められた覚悟を見つめるうちに、少しだけ心が軽くなった気がした。
何もかもが分からないこの状況で、彼は今、ただ進むしかないのだ。
「わかったよ、リシア。俺、やってみる。」
その言葉に、リシアは穏やかな微笑みを浮かべた。
「ありがとう、翠さん。共に頑張りましょう。」
それが、翠とリシアの絆を深める第一歩となった。
眠いですねぇ
あっ別にあとがきが何も思いつかなかったわけじゃないですよ??