新しい恋人?
兆志は、愛車キザシとディーラーへ点検に出かけた。
受付のお姉さんが
「わたしは、キザシという車は初めて見ました」
兆志は微笑みながら答えた。
「そうですか、キザシはあまり見かけないですからね。でも、乗り心地が良くて気に入っているんです」
受付のお姉さんは興味深そうに聞いた。
「どんなところが特にお気に入りなんですか?」
兆志は少し考えた後、
「まず、走行性能が抜群なんです。それに、内装もシンプルで使いやすいし、長時間運転しても疲れにくいんですよ」
と説明した。
お姉さんは感心したようにうなずき、
「それは素敵ですね。点検には少しお時間がかかりますが、待合室でお待ちいただけますか?」
と言った。
兆志は「もちろんです」と答え、待合室へ向かった。待合室には雑誌やコーヒーマシンがあり、リラックスできる雰囲気だった。彼はソファに腰を下ろし、雑誌を手に取ってページをめくり始めた。
しばらくすると、メカニックの一人がやって来て、兆志に声をかけた。
「兆志さん、お車の点検が終わりました。特に問題はありませんでしたが、オイル交換をお勧めします。」
兆志はその報告に安心し、
「ありがとうございます。オイル交換もお願いします」と答えた。
メカニックが作業を続ける間、兆志は再びクリスマスイブの思い出にふけっていた。彼女との別れは辛かったが、それでも前向きに進んでいこうと決意していた。新しい出会いや経験が待っていると信じているからだ。