読書感想文のせいで読書が嫌いになっていた
文章が書けなかった。絵も描けなかった。
幼稚園の頃は紙貰っても描かずに捨ててましたね。
小学生に上がると作文、読書感想文という厄介なものが登場する。
原稿用紙の使い方は教えて貰えたのでそれは完璧にわかる。
文章の書き方っていつ習ったっけ?
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坐禅は習禅にはあらず(高祖承陽大師(道元禅師)、正治2年1月-建長5年8月、著「普勧坐禅儀」より引用)とありますが、習うものではなかったのか、小学1年生にそこまで求めるのか?
こんな児童に居残りをさせるから「神隠し」に遭ってしまうんだよ。
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絵も同じ。道具の使い方はわかるが描き方を習っていない。
これはおかしい。書き方、描き方を教わる日に欠席していたのだろうか?
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読書感想文が嫌いになったせいで、読書はもちろんのこと、映画、観劇、お楽しみ会等、感想文を書かされるものは全部嫌いになった。
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中学生になり、読書感想文のテンプレートなるものを知る。
こういうのを先に教えてくれないと。それまで、感想文を書けと言われれば、あらすじを書き、あらすじを書けと言われれば該当図書を転載していましたよ。
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高校生になり、やっと美術の先生で当たりを引けた。
「子供に自由に描かせると私では真似出来ないとてもいいものが出来るんですね」
そのお言葉しか覚えていない。でも、課題を全部提出出来たのはその先生の時が初めてでした。
また、親からは「大学へ行かせるお金がない」と言われていたので当時から就職試験の勉強に切り替えていた。その為に作文(後に小論文も)を書いてた。なのに末っ子が5年間も大学に通うか? は? 絶対に後の作中で叩き斬ってやる。
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読書が出来るようになったのは感想文との縁が切れてから、書くようになったのは親がワードプロセッサに飽きてから、朗読を始めたのは演劇を始めてから、漫画は師匠の修羅場手伝いを始めてからか。
それでも書き方は習ったことがないな。最初はカセットテープからのTRPG文字起こし、そしてそこら辺に捨ててあるような剣と魔法が出て来る文章。
例の外伝を書いてやっと「前と比べてわかりやすくなったね」とのこと。
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未だに解けない問題がある。
「作者の気持ちを答えなさい」
えっ? この答えがわからない。わかる人いるの?
私は尋ねられれば正直に答えますが、勝手に私の気持ちを代弁するのは許しません。
書き終えてから、北畑静子作「わたしの おねしょのはなし」(椋鳩十編「ねしょんべんものがたり」より)を思い出しました。