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シメハタクアン

 糸目の神父は暖色が照らす自室の椅子に座って、報告書を読みながら、マグカップに入った生ぬるいコーヒーを啜った。


「いつ見ても汚らしい文字ですよ。カトウ。」


汚い字が羅列する半用紙の紙には、肉の山との戦闘報告とペナントステアによる記憶閲覧の内容が書かれてある。


----肉の山は噂ではなく実在していた。

・常に飢餓感に襲われている

・食事対象は生物全般

・内蔵は魔法により強化されてるため、生きた物

以上の点が散見された。

行動パターンは暗い夜の森を徘徊し、食事となる生物を求め歩いたとされる。敵に見つからないよう行動する利点、加えて大きな体を目立たせない為と思われる。


「実在していたんですねぇ…まぁいても不思議は無いのでしょうが。」


 啜ったマグカップをモダン調のテーブルに置く。それからコーヒーの後味と香りを楽しんだ後、筆記を読み進めた。


----これらは自我の消失するほどの飢餓感によるもので、本来は人間である。美の魔女による改造が施されたこの女性は幾年間もの間、森に君臨していたようだ。生態系のバランスが崩れているおそれがあるので調査されたし。

 食事が行動原理ならば、行商人の遺体の件とは整合性が取れないので、改造人間は他にいるのではないかと推察できる。やはり引き続いて調査、もしくは魔女の討伐を進言する。



 ロテオは深いため息をついた。予想された事とはいえ美の魔女と呼ばれる存在を認知できなかったからだ。


「魔女…難しい言葉ですよね。」


 魔女とは如何にと考えた。魔法の扱いに長けた者程陥りやすく、自他ともに犠牲を惜しまない人種のことを指している。生物学的な別称があるわけでもない。他人にバカと罵る事と同じだ。


「魔女の討伐とは簡単に言ってくれますねぇ。証拠と嫌疑がなければ、あなたは犯罪者なんですよ?」


 どの世界においても同じ、殺人をすれば罪だし処分されてしまう。だから魔女と言う言葉だけでは討伐対象に足り得ない。


「だからまぁ、僕がいるんですがね。」


 ロテオはまた考えだした。美の魔女という人物をどうやって行政対象処分にしようかと。


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