生首クリームエクステッドエディション
酒を酌み交わす魔女狩り。その頃、首を受け取った神父は教会にいた。
神父は礼拝堂の中で火を見ていた。十字架の下に備え付けられた薪は、青い炎となっている。
「聖なる火をありがとうございます。」
神父が手に持っているのは、討伐された再生の魔女ゲッシュの首だ。
「存外に呆気なく終わるのだなゲッシュよ。」
「神父、お辛いのでしたら私が代わりに...」
神父の横に経つ若い男はこの協会に入った神父見習いだ。辛い顔をし、青い炎の前で立つ神父の顔を見て、胸が締め付けられる思いになってしまったのだ。
「皆からお聞きしました。再生の魔女とは幼なじみだと。」
「____ええ。あの無垢な姿を今でも思い出しますよ。ですがね、彼女がした事を考えるとこれも仕方ない事です。」
「そうですが...街の医者代わりになっていた彼女が、なぜ急に子供を攫ったのでしょうか。」
神父は目を瞑り、再生の魔女の幼き日を見る。
優しい心を持ち、慈善の愛で人を包む再生の魔女ゲッシュ。それはもう昔の話だ。
この小さな街では医者代わりとして活動してきた彼女は、突然子供を攫い解剖する殺人犯となった。それも近年急に凶悪性を表した。あまりの行為に神父は見かね、魔女狩りカトウに依頼したのが今回の一件だ。
「ですがね。これはあの子が魔女を志すのを止めなかった私に原因があります。これは神が思し召し贖罪なのです。」
「神父...」
若い神父見習いは苦しむ神父を見ていられなかった。優しい顔は青い炎で照らされて、頬を伝う涙を。
ゲッシュの生首を神父は優しく抱き、頬を頭の頂点に付けた。まるで我が子を抱きしてるように。
「ぁぁ。私は力がないばかりに、祈るほかなかった。だから神父になったのです。ゲッシュよ...出来ることならばあなたと共にいたかった。」
「それはロマンチックねダーリン。」
不意に女の声がして、礼拝堂にいる2人は背筋が凍った。なぜなら声の主が誰なのか、直ぐに検討が着いたからだ。
「こっちを向いてダーリン。」
神父はゆっくりと手を動かし、ゲッシュの生首を振り向かせる。生首はもう死体ではなくなっていた。
「我が名、ゲッシュの名において人間共の魂を捕えると約束する。我は再生の魔女に在らず禁忌を破る者なりや。」
「待ちなさいゲッシュッ!!!貴方はまさか魔法の禁忌を破ろ__」
夜の闇に溶ける悲鳴を、誰も聞きはしなかった。今宵はゲッシュの祭り。この夜から禁忌は開かれる。