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繋ぐ心

作者: カイ

これは、俺の物語でもある。是非見てくれ。

進め 進め 進め。生暖かい風、動かない足、諦めている気持ち、そして陸上競技場のトラックの匂い。


1過信


 北中学陸上長距離部、部長新海悟。俺は速い、努力もできる。しかし1ヶ月前、脚を痛めた。俺は全国大会を目標とし練習に励んでいた。今は治ったがあと2週間後に全国出場がかかった大会一つ目の通信大会がある。先ほど、一つ目と言ったが全国大会出場がかかった試合は全部で二つある。通信大会と県大会だ。

 通信までの二週間、俺は頑張った。そして俺は自信を持って通信大会に出た。全国大会に出るには、全国の標準タイムを切らなければならない。俺は、1500メートルで全国に行くと決めていた。

 正直なところ80パーセントで全国標準タイムを切れると思っていた。スタートラインに立った時に俺は、「走りたくない」と思ってしまった。そこから、スタートがはじまった。進まない。そして暖かい風が口の中に入り、吐きそうだ。嘘だ。俺は遂に最後尾に並ぶ。陸上競技場のトラックが蒸発し熱い。何とか二人抜いたが、全国どころではなかった。


2不安そして未来へ


通信大会が終わり俺は、前が見えなかった。俺はこれからどうすれば。そんなとき父親が声をかけてくれた。

「努力してると思ってるだけ、また明日から頑張ろう。」

父親は、俺に陸上長距離という種目を教えてくれた人だ。俺は、全国大会に行くことを正直諦めていたのかもしれない。しかし、父親はまだ諦めていなかった。諦めた自分が恥ずかしい。そして、ありがとう。俺はその言葉を聞いたときそう思った。

 それから俺は、ただがむしゃらに頑張った。ただ走るのが楽しかった。雨の日、警報の日、晴れの日、毎日走った。その一歩一歩は、全国への道に着実に近づいていた。


3覚醒


 次の大会は、通信大会の二週間後の市総体。この大会は、全国大会へつながる県大会出場をかけた試合だ。県大会の出場権を手にいれるためには、市総体で六番以内に入らなければならない。俺のこの前までは六番にはいること、それすら難しかったと思う。しかし、俺は練習した。この二週間俺は、誰よりも練習した。けれども不安もあった。たった二週間で本当に速くなるのか。そんな気持ちで、試合当日を迎えた。

 試合当日。緊張はした。しかし楽しみだった。俺が、この二週間でどれだけ速くなったのか。市総体では、予選と決勝がある。今予選が始まった。からだが軽い、本当にみんな本気で走ってるのかと不思議に思うようなスピードだった。予選通過した。

 決勝が始まる前、予選の疲労があった。だが、ふと思った。一番とれんじゃね。なぜそれを、思ったのかはわからない。多分野生のかんだろう。そして、決勝のスタートラインに立った。屈伸を一回し、黙想した。スタートラインに立った時の一秒一秒がとても長く感じる。その時は、いつも時間の大切さを教えてもらえる。あのときこうしとけばよかった。もう少しできたんじゃないかとか、そんなことをいつも思う。今回俺は、前者のこと、後者のことも思わなかった。ただ、これまで練習を振り返った。正直、通信大会からもう二ヶ月ぐらいたったんじゃないかと思うぐらい長かった。スタートしたとき体が勝手に前にいき、先頭に出た。周りが見える。モニターがよくみえる。北中学の生徒だ。父親、母親の姿も見えた。きつかった。しかし、俺のしてきた練習の方がきつい。俺はそのままゴールラインを通った。


4エピローグ


結局全国大会には出れなかった。全国大会出場権を取る最後の大会、県大会の前に、脚を怪我してしまった。でも俺に後悔はない。父親の言葉がある限り。机に紙をおき、ボールペンで、大きな字で、紙に新たな目標を書いた。

見てくれてありがとう。これを見て少しでも力になれたら嬉しいです。

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