第46章 迫り来る悪意
ケントは、邪悪なる何かを感じる。
翌朝ケントが、目覚めたとき、身に何かを感じ取っていた。「何かを感じる。今までにはない邪悪な何かを。それと、謎の声が聞こえた」
それは、不吉な予兆が迫るということであった。
その日、学校にて全校集会が行われていた。
校長は、「生徒の皆さん、恐ろしいことが起こるかもしれません。これから先、細心の注意を払うように」と、生徒たちに言いました。
不吉な予兆が迫るというのを感じていたのは、ケントだけではなかった。
別の日、ソフィアに、異変が起こります。
「ソフィア、どうしたんだ?」と、ケントが、心配そうにソフィアの元へ駆けつけてきました。
「お兄ちゃん……。私の左手が……」と、ソフィアは、言います。
ケントは、「俺に見せてくれ」と言うと、ソフィアは、左手を見せます。
なんと、ソフィアの左掌に炎の痣が現れたのだ。
妹のソフィアも、同じように、不吉な予兆が迫るというのを感じていた。
とある場所にて、「あの奴らめ」と、タロットカード「塔」の魔王バベルは言っていた。
そこには、タロットカード「皇帝」の魔王タレスがこんなことを言っていた。「かつて、お前の前任者が仕損じたからだ」
魔王同士の会話が続く。「けどよぉ、なぜそれを知っているのだ?」「あの者は、お前より実力があったからだ。それに、お前はかつてタロットカード持つような器ではなかった」「そうですとも」「直に大魔王様の完全なる真の力が戻れば、もはや人間どもは、全滅したのと同然」「炎の痣の一族の血筋を絶やすためにもな」
タロットカードの魔王達は、恐ろしきことを考えるように世界征服をし、世界を破壊して滅ぼそうとしていることを思いついたのだ。
休日の学校では、フレイザー兄妹が剣術に励んでいた。
(俺はなんとしても、3年前とは違うことを、奴に見せつけるんだ)とケントは魔王を倒すための鍛錬を積んでいた。
そこに、ロクサーヌが来て、「ケント、あんなに強い魔物相手に対峙するなんて、あまりにも危険よ」と忠告していた。
更にホーク先生が来て、「なるほどな。あの魔物を倒そうとするのか?」と言うと、ケントは、「タロットカードの魔王に勝つために何かが必要不可欠」と言いました。
聖騎士総本山にて、「あの子が、魔王並みの魔物に勝利したのは確かだが」「仕方ないのだ」「3年前あの子は、タロットカードの魔王の恐ろしさを知る由もなかった」「あの時と同じようなことがもし、起こり得ることだとしたらどうするべきか、皆の意見を述べよ」
聖騎士団の評議会メンバーは、ケントのことで、魔王との戦いに投じるべきかどうかを話していた。
刻々と、「塔」の魔王による悪意が迫りつつある。
「それで、生徒たちに何か危害を加える魔物がこの学校に入り込んできたら、どうしますか?」「生徒を戦わせるのは危険だ」と、教師たちが話し合っていた。
一日の授業が終わり、生徒たちは、それぞれの学生寮に帰寮した。
その夜、ケントは、夢の中でとある人物の声を聴く。「ケント、聞こえるか?」と、ケントを呼ぶ。
ケントは、(誰だ?)と振り返ります。
刻一刻と、邪悪なる魔物の気配が迫りつつある。
最初にケントは、重い物体を両手で持ち上げる位の力しかなかった。




