第40章 編入希望
教師たちは、ケントの妹ソフィアに目を向けて、他の学級の編入を話し合っていた。
「どうですかね」「成績は優秀だが考えてみる必要がありそうだ」「あの焔熱学級の女子生徒は炎の痣の一族の血筋を引いているようだ」
教師たちは、話し合っていた。
「あの男子生徒は、炎の痣がついていた」「それにしても、あの女子生徒は魔物体質だが」「それでしたら、うちの学級に編入した方が良いかと」「あの子には、荷が大きすぎないか?」
話し合っていた内容は、ケントの妹ソフィアのことについて学級の編入を推薦するべきか否かであった。
それによると、今後進級時に他の学級に編入すべき生徒を選ぼうとしている。
ホーク先生が、「生徒の学級入れ替えは、進級時の成績次第で決まる」と、生徒達に言いました。
生徒達は、ざわつき始め、ケントは妹のソフィアに向かって、「本当に俺の学級を離れて、別の学級に入るのか?」と、言いました。
ソフィアは、「まさか、私がそんなことするつもりなんてないよ」と、言いました。
ホーク先生が、ソフィアを指名したのは、成績を見て優秀な一面があったため輝閃学級に編入の話を持ち掛けたのだ。
ケントは、「輝閃学級は、焔熱学級をライバル視しているんだ」と言いました。
ホーク先生は、「輝閃学級は、優秀な生徒が多く入る学級だ。それに、ソフィア・フレイザーは、これまでの成績を見ると、輝閃学級の生徒並みの成績と実力を兼ね揃えている」と、ケントに言いました。
逆に考えてみると、本来の適合する属性と、学級の属性が合わなかった場合も、他の学級に編入となる。
焔熱学級は、輝閃学級に次ぐほどの秀才さを見せている。
聖騎士団本部では、評議会が行われている。
「学校の状況を報告して下さい」「はい、今の所、魔物が襲撃を受けてません」「それは良き報告」「今後、魔物が学校襲撃された場合は、出動するとしよう」
士官養成学校が魔物に襲撃された時の対処方針を固める会議を採択していた。
「士官養成学校は、我々聖騎士団を輩出している」「そうですね」「元聖騎士団長は、炎の痣を持つ少年の事を我々に報告している」
それによると、オズベール校長は、ケントのことについて、聖騎士団に報告していたのだ。
編入希望は、来年まで持ち越すことも可能であるため、ソフィアは、判断を迫られていた。
他の生徒はというと、これから先、終の落ちこぼれになりたくないと言っているのだ。
終の落ちこぼれとは、最終学年の時、無個性学級に在籍する生徒たちの総称である。
そして、ソフィアの判断は、「私は、今の学級の方がいい。来年まで持ち越します」と言ったのだ。
ソフィアは、編入希望を来年に持ち越した。