第39章 一族の記憶
ケントが見た夢は炎の痣の一族の記憶だった。
聖騎士団との交流会が終わった後の学生寮にて、ケント達は、共有スペースで食事をしていた。
「ケント、今日の交流会はよかったよな」「あぁ、そうだが」
「ほらほらケント、食べ残しや早食いはだめよ。せっかく作った料理が冷めちゃうよ」と、女子生徒がケントに言いました。
「やばっ」と、ケントは焦ってしまいました。
ケントは、料理が冷めないうちに、早食いせず、全部食べた。
その時、ソフィアは、(お兄ちゃん、どうしたのかしら? なにか浮かばない顔をしているわ)と、思った。
その夜、ケントは、就寝したのにも関わらず、何かにうなされていた。
夢の中では、「何だここは? 一体全体、俺は何処にいるんだ? それに、何なんだ? あの城は?」と、ケントは、とある場所を見ていた。
ケントは、「おーいソフィア、何処にいるんだ?」と言っても、ソフィアの返事はありません。
周囲を見渡すと、ケントの隣には何人も立っていた。
真っ黒なシルエットで姿が見えなかった。
「誰か立っている」と、ケントは、恐る恐る近づき触れようとしますが、(何だ? 触れることができない)と、触れることすら出来なかった。
『ジギー』と、声がした。
それは、勇者ジギーの記憶であった。
暗黒魔界城周辺で、ジギー率いる勢力と、大魔王の軍勢とで、戦闘を行っていた。
結果は、ジギーと6人の仲間は、敵中突破し、大魔王と対峙した。そして、大魔王を封印。それにより、ジギー率いる勢力の勝利となった。
すると、映し出されたジギーの記憶は消え、ケントは、とある夢の場に立っていた。
そこには、大きな椅子が等間隔で円を書くように20個も並び置かれていた。
それによると、大きな椅子には、1から20までの数字が刻まれていた。
ケントは円の中心に立っていて、10の椅子の方向を向いていた。
そこに座っていたのは、ジギーであった。
ジギーの隣に座っている人の姿は真っ黒なシルエットで見えなかった。
ジギーは、ケントに向かって、「これは真実だが、一族の記憶の中のほんの一部に過ぎない。なぜなら、この記憶は、第3世界の終末というものだ」と、言いました。
夜が明け、ケントは、夢から目覚めた。
ケントは、荒い息をしていました。「何だあの夢は?」
その日の学校にて、ケントは、校長室にいた。
「校長先生。昨夜見た夢の中で、こんなことを言われました。『これは真実』と言われて」と、ケントは、言いました。
校長先生は、「何だって?」と、言いました。
「それと、何か一言言っていた。『第3世界の終末』とか何とか」
校長先生は、「かつて、この学校に炎の痣を持つ生徒が在籍した事があったと思うのだか、それは初耳だ」と、言いました。
「2年前、俺の家に突然現れた魔物について、何が分かる事はあるのでしょうか?」
「何らかの予兆かもしれない。世界の終末とか」
そこにホーク先生が来て、「校長、こんな所でうちの生徒と、話して何しているのですか?」と、言いました。
ケントはこれから先、タロットカードの魔王に勝つための重要な鍵を握る方法を身に着ける。