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第119章 ギネヴィアの婚礼

 タロットカード「恋人」の魔王である双子のクラインとエレミアを倒した後、ケント達は、聖騎士団総本山に帰還することになった。

 お菓子の城は、タロットカード「恋人」の魔王である双子のクラインとエレミアが倒されたことにより、縮んだ。

お菓子の城が縮む前に聖騎士団は、城内に取り残された人や死人か居ないか確認した後、城から脱した。

「城の中は誰も居なかったようだ」

「それは良かったのだが、なぜ彼奴等はこの城を建てたのか? 疑問に残る」

ジュリエットは言う。「そうね。私の見解によると、あの兄妹は、食べたものによって思ったことを創り出してたとのことだが……。違う?」

「確かに、ジュリエットの言う通りかもしれない」

「しかし、あいつらの過去を見たところ、何も罪のない人の命を奪いとるなんて、私は許せない」

ソフィアは、兄であるケントの傍に寄り添っていたところ、クラインとエレミアの記憶から、大きな過ちを犯していたことに憤りを露にしていた。

「お前ら、総本山から『帰還せよ』と指示が出た」

エリンシアは、ケント達に総本山に帰還する指示通達があったことを伝えた。

 ケント達は、聖騎士団総本山へ帰還し、の謁見の間へ入る。

「団長、ただいま帰還しました」

「無事に帰還できたことを感謝する」

「先の指示によると、『帰還せよ』とのことですが……、何かお伝えすべきことは?」

エリンシアとジュリエットは、総本山から帰還の指令を気にしていた。質問を問いかける。

それをケントとソフィアをはじめ、ケントの同期達は後ろでトーマスの話を聞くことになった。

「その指示を出したのは、他ではない。この私だ。理由は、ある男が我々の元を訪ねてきたのだ」

「誰ですか?」「エリンシアとジュリエットの妹であるギネヴィアの婚約者だ」

トーマスの話によると、ギネヴィアには婚約者がいたのだ。

(えぇ? なんだって?)

ソフィアは疑問に思った。

ケントが団長であるトーマスに異議を申し立てる「ちょっと待ってくれ! なぜギネヴィアに婚約者がいるのだ?」

「それは、当本人に直接話しかけてみないとわからないだろ。ケント、君がギネヴィアに話しかけなさい」

「わかった。もしそれが事実かどうかは、俺がやってみるしかない」

ケントは、トーマスの命令に従い、ギネヴィアに話しかける。

「ギネヴィア、本当に婚約者が居るのか?」

「はい。私には、結婚相手が居て、婚約が決まっていたの」

「どういうことだ?」

「ケント、あなたが居ない間、ある人物が、私のことを好きになって訪ねてきたの」

「そもそも、まだお前は子供だろ、親の同意が必要なんだ。お前には親は居ない」

「そうよ。でもね、同意してくれた人が居るの。それと、子供扱いしないでよね」

「それは、そうだったのか。同意してくれた人は誰だ?」

「フィリップ伯父さん」

「フィリップという人物は、お前とは血は繋がってはないだろ」

「そうだけど、伯父さんは、私をはじめ、上3人の姉達の親代わりとして、私たちを育ててくれた」

ギネヴィアに婚約者がいたことは事実だった。

ギネヴィアは、伯父であるフィリップ以外に、ギネヴィアの婚礼に同意したのは長姉であるメイベルであったことを語った。ギネヴィアは、婚約者の名前がジェロムであることを明かした。ジェロムは、クローバー家の血族だった。

ケントはギネヴィアに対して最後の質問を要求した。

「その、ジェロムという男の歳はいくつだ?」

「私より6つ年上です」

トーマスは言う。「ケント、ギネヴィアには婚約者がいたことがよくわかっただろ」

ギネヴィアが結婚することに対してケントは納得いかなかった。

「ギネヴィアの結婚はなぜ知っている?」

「ギネヴィアは結婚出来る年ではないことは、我々聖騎士団も既に承知の上である」

不満気なケントを説得するケントの同期達。

「お兄ちゃん、ギネヴィアが結婚することは仕方ないの。だから、不満気な顔を出さないで」

 聖騎士団総本山の聖堂で婚礼の儀式が行われた。

聖堂では新郎ジェロムが立っていた。

新郎側の席には、クローバー家の人達が座っており、新婦側の席には、ギネヴィアの姉達を始め、ラーズ家の人達が座っていました。

ケントとソフィアを始め、フレイザー兄妹の同期は、新婦側の席に座った。

花嫁衣装姿のギネヴィアが入ってきました。

神父は、ジェロムとギネヴィアに言い聞かせます。

「ジェロム・クローバー、あなたは隣にいる女性を妻とし、末永く幸せに過ごすように、新たなる家庭の第一歩を築くことを誓いますか」

「はい、誓います」

「ギネヴィア・ラーズ、あなたは隣にいる男性を夫とし、末永く幸せに過ごすように、新たなる家庭の第一歩を築くことを誓いますか」

「はい、誓います」

「これより、ここにいる2人を夫婦として、認めます」

ギネヴィアは、結婚を機にクローバー家を名乗るようになった。

ケントは男泣きした。

幼少期の時だけしか泣かなかったケントは、ギネヴィアの婚礼に感動した。

(誰よりも早くに家庭を持つなんて悔しいけど、この感じ感動の涙を拭うことなんて俺には出来ない)

結婚披露宴ではお菓子の城が出て、結婚式の出席者全員で食べました。

誰よりも嬉しく喜んだのは、ギネヴィアの姉達だった。

 一方その頃、暗黒魔界城にて、不穏な会話が行われていた。

「あの聖騎士団という連中共は生き延びたようだな」

「はい、仰せの通りでございますが、吉告と凶告があります。凶告は、我々が仕掛けた罠であるお菓子の城が、聖騎士団に食べつくされましたのでございます。そのため、双子の男女は共に死にました。吉告は、聖騎士の小娘が結婚したようです」

「なんだと? あの小娘が結婚出来る年ではなかろう」

「それは、左様ですが……」

「だが、我にはあの連中共の行動が読めぬ」

 ギネヴィアの婚礼を終えた後、フレイザー兄妹は、謁見の間で、騎士団長であるトーマスから、次の行くべき場所を指示された。

「次の目的地は、死者の森だ」

 お菓子の城編完結。

フレイザー兄妹は、死者の森へ向かうことになった。

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