第112章 とっておき
ギネヴィアは、お菓子に変えられてしまった。
ギネヴィアを連れ去ったエレミアを追う。
これまでの聖剣救世主年代記お菓子の城編の物語を振り返る。
ギネヴィアの夢の中にいた双子の姉妹エリンシアとジュリエットは、妹であるギネヴィアがお菓子に変えられた挙げ句、エレミアに連れ去られたことを受けた。
「エリン姉、どうするのよ?」「どうするのと言われてもね。とにかく、ジーナを助け出すことしかないのよ」「そうね。これは時間の問題だから急がなきゃ」
ギネヴィアを連れ去ったエレミアを追うこと、数時間が経過した。
「見つけたぞタロットカードの魔王め。妹を放せ!」「まぁ。ここまで追いつかれるとは貴女達は、本当にしつこいですわね。わたくしとしたことが、一生の不覚ですわ」「ジーナ。助けに来たよ」「エリンお姉ちゃん。ジュリーお姉ちゃん助けて。この魔物に食べられちゃうよ」「待ってろ。何とかして助けて見せる」「オホホホホホ。何度言っても無駄ですわ」「そうはさせない。ジーナは私たちが守る」
今か今かにも、タロットカード「恋人」の魔王エレミアは、お菓子に変えられたギネヴィアを食べようとしていたところに双子姉妹が駆けつけて、エレミアと戦うことになる。
その頃、現実世界にいるフレイザー兄妹は、同期の仲間にギネヴィアを守るように言った後、城内を探索していた。
「本当に大丈夫なのか?」「心配ないよ。ギネヴィアが目覚めたら、駆け付けに来てくれる」
(リドリー、サイラス、スチュアート、ハロルド、どうか、ギネヴィアを襲う魔物から、彼女を守ってくれ。それと、俺とソフィアが、危機に瀕したら、必ず俺達兄妹の所に来るんだ。頼んだぞ)
フレイザー兄妹は、城内の魔物を倒し続けて、夢を操る魔物の居場所に着く。
「見つけた」「いいかソフィア、用心してこの部屋に入るんだ。どんな奴なのかわからないから、気を抜くなよ」「お兄ちゃんもね」
フレイザー兄妹は部屋に入る。
「魔王め、覚悟しろ……ってあれ? 居ない。何処だ」
ケントは辺り一面を見渡しても魔王の人影らしき姿が見当たりません。
「あんた、出てきなさい! ここにいる気配を感じるのはわかっている」
ソフィアの言葉を聞いたタロットカード「恋人」の魔王クラインが現れる。
「フフフフフッ。待ってたぜ」
「お前、名を名乗れ」
「いいだろう。俺の名は、タロットカード『恋人』の魔王クライン様だ」
その頃、ギネヴィアの夢の中では、とんでもない事態になっていた。
「何と言う強さだ。これじゃ太刀打ちできない」「ラリホー。わたくしにこのような小細工は通用するとでも思ったら、大間違いですわ」
「大変よエリン姉。ジーナが食べられた」「なんてことだ。消化される前に早くジーナを助け出さないと、死んじゃう」
「エリン姉、落ち着いて。私達にはとっておきのやり方があるでしょ」
「ジュリーの言う通りなら、やるしかない」
エレミアの体内で、ギネヴィアは拘束されていた。
「ここはどこ? 身動きが取れないよ。お姉ちゃん、助けてよ」
刻一刻と、胃酸がギネヴィアの身に迫りくる。
ギネヴィアが胃酸で消化される前に、双子の姉妹は、とっておきのやり方で救出作戦をひらめく。