第111章 食べられる
ケントは、聖騎士団と合流し、魔物に気づかれてしまったことを話す。
ギネヴィアが夢の中に閉じ込められてしまい、現実世界で目覚めずにいた。
ソフィアの魔法で夢の世界から出ることができた聖騎士団は目覚める。
「ケント、無事か?」「あぁ何とか。それより、俺は魔物に気づかれて、城を追い出されるところだった」
「一体何があった?」
「あいつら、俺を捕まえようとした。俺は抵抗してあいつらを斬った。そしたら、あいつらは俺を恐れて逃げ出した」
「何よりも、君が無事なのは確かだが……、ギネヴィアが心配だ」
「そうよ。私とエリン姉でジーナを夢の世界から出せば、ジーナを起こすことが出来ると信じていたのに上手く行かなかった」
ケントは「それはまずいことじゃないのか?」と言う。
このままでは、ギネヴィアの身が危険だと察知した双子の姉妹は、ソフィアと同じ魔法を使い、ギネヴィアの夢の中に入る。
「ジーナ。助けに来たよ」
「お姉ちゃん」
「かかってこい魔物め、ジーナには手出しはさせない」
フレイザー兄妹は、聖騎士団に城内の人たちを外に出すよう誘導する。
「いくぞソフィア。この城の何処かに、タロットカードの魔王がいるはずだ」「わかったわお兄ちゃん。リドリー、城内にいる人達をたのんだよ」
「ケント、なんで俺がやらないといけないの?」「リドリー落ち着け、お前だけじゃない。俺たちがついているじゃねーか」「ギネヴィアのことは、彼女の姉たちに任せた方がいい」
フレイザー兄妹は、タロットカード「恋人」の魔王を探すため、リドリー達を置いていく。
「ギネヴィアは、大丈夫だろうか」「こうなったら、俺達でギネヴィアを守らねば」
ギネヴィアを魔物から守るためにリドリー、サイラス、ステュアート、ハロルドの4人は、ギネヴィアの双子の姉達が戻って来るまで、耐え抜かなければならなかった。
ギネヴィアの夢の中で、双子の姉妹は、ギネヴィアの身に異変が起こりそうになるところを目の当たりにする。
「ラリホー。今から、その小娘をこのわたくしがそのおいしくいただきますわ」
「そうはさせるものか。ジーナに手出しする者は、私たちが許さない」
「お姉ちゃん」
ギネヴィアの双子の姉達は、ギネヴィアが目覚めるまで、夢の世界に居る「恋人」の魔王エレミアからギネヴィアを守るために戦う。
「エリン姉、大変よ。ジーナが」
エレミアに隙を突かれてしまったエリンシアとジュリエットは、ギネヴィアがお菓子に変えられてしまう姿を見てしまう。
「オホホホホホ。これはこれは美味しそうですわ」
「そんな。ジーナが食べられる」
「ジュリィ。それよりも、ここは私がジーナを助けに行かなきゃならない」
「助けてお姉ちゃん。うわぁーん! 動けないよ」
ギネヴィアは泣き出しながら姉達に助けを求めた。
「ジーナ。頑張るんだ! 今から助けに行く」
エレミアはお菓子に変えられたギネヴィアを連れ去り、食べようとします。
ギネヴィアがお菓子に変えられたことを受け、エリンシアとジュリエットは、ギネヴィアを連れ去ったエレミアを追いかける。