第107章 夢世界への誘い
聖騎士団は、お菓子の城に入る方法を模索していた。
聖騎士団は、お菓子の城に着いたものの、魔物に見つかって、聖騎士団と怪しまれたら城から追い出されるのを恐れていた。
「それで、ケント、誰にも怪しまれずにお菓子の城へ入る方法とかあるのか?」
「ある。俺にはいい考えがある」
「どうする?」
「ソフィアの帽子があるじゃないか」
ケントは、咄嗟の判断で、聖騎士団をソフィアの帽子の中に入れる。
フレイザー兄妹は、辺り一面を見渡すと、いかにも怪しそうな気配を感じた。
「ん? 誰かが居そうな気配がする。ソフィア、俺についてこい」
「分かったわ」
フレイザー兄妹は、怪しそうな気配がする人影がいる所へ向かうと、「やっぱりな。ここに居るのは分かっていた」とケントが言う。
なんとギネヴィアを見つけたのでした。
「見つかっちゃった」
「さぁ、言いなさい。なんでここに居たの? それと、なんでここに来たの?」
「どうしても、お姉ちゃんが心配だから、ついていこうとしたの。そしたら、美味しそうな食べ物に惹かれて……」
「やれやれ、そんな理由で身を潜めてたの」ソフィアは、ギネヴィアの説明に呆れていた。
「あっ……、あの時のお姉ちゃんと対決した人でしょ。違う?」「そうだが何か?」「あの時、グリフォン・アークと名乗っていたでしょ」「なんで俺達兄妹の名を知っている?」「だって、『髑髏の仮面の二人組に負けた』とお姉ちゃん達が言ったの」
なんと、ギネヴィアは、ケントとソフィアが髑髏の仮面の二人組であることを知っていたのだ。
ソフィアの帽子から聖騎士団を出し、作戦会議を行うことにした。
「説明してくれないか。本当は、貴女方の妹が来る筈ではなかったのだが」
「いいよ。エリン姉と私にとって、ジーナはかけがえのない妹だけど、私達双子が、任務に行くときはついて来るなと言いつけているんだ」
「その通り。ジーナは、聖騎士になっても、私とジュリーにとっては足手まといになるから。それと、メイ姉さんには言わないように」
ケントは、ギネヴィアの双子の姉達から説明を聞いた。
「これじゃ怪しまれる。どうするんだ?」
「ジーナが変装すれば、怪しまれることはない」
「僕もその意見に従うとしよう」
聖騎士団は、ギネヴィアを変装させ、ソフィアの帽子の中に入り、ギネヴィアに被せる。
お菓子の城の入口である門に差し掛かると、「ここへ来た要件は?」「私の町に住んでる人達の噂を聞いて、観光目的できました」
門番の質問にギネヴィアは答える。
「名前は?」
「アントワネット」
「身分証はどこだ? 身分証を見せろ」
「口調がきついですわ」
「それは失礼した。身分証を見せてくれないか?」
「その必要はありません」
「身分証を見せる必要は無いか」
「この城に入っても良い?」
「入っても構わん。さぁ、行きたまえ」
「ありがとう」
ギネヴィアは、門番に怪しまれずに、お菓子の城に入ることに成功した。
ギネヴィアは、人影に気付かれない場所に向かう。
ソフィアの帽子の中では、ギネヴィアが潜入できたことを話していた。
「上手く行ったか?」「えぇおそらくは」「本当に?」「何心配ないさ。ジーナは、小柄な体だから潜入には向いている」
ギネヴィアが何か食べれそうなものを探す。「美味しそうな食べ物はどこにあるのかな?」
帽子の中では、ケントが何かに気づく。「何か、匂いがしないか?」
「ケント、どうしたんだ? 何の匂いがするんだ?」
「何か、甘いお菓子のような匂いがするんだが」
「ケネス、ここには食べ物なんてあるはずないでしょ」
エリンシアが振り向くと、ソフィアがお菓子を食べている所を目撃してしまい、「あっ! ちょっとあんた何食っているのよ? どこでそんなものを?」と、言う。
「ん? ギネヴィアが食べてたからついつい。皆も食べた方が良いよ。空腹でしょ」
ギネヴィアがお菓子を食べた後、「眠くなってきた」と、眠気が差して来る。
聖騎士団は眠気に襲われ、体の動きが止まる。