異伝1 四天王
ケントとソフィアは、大叔父であるキースと暮らすことになる。
総本山へ向かう為、両親と弟達と別れを告げたケントとソフィアは、今後、帰る家が大叔父であるキースの所となった。
「お兄ちゃん、大叔父さんに挨拶しなきゃならないよ」
「そうだな。曽祖父ちゃんが亡くなって以来、大叔父とは会ってないからな」
ケントとソフィアは、大叔父キースの家に着き、キースの家族と挨拶した。
「大叔父さん。曽祖父ちゃんが亡くなって以来、全く会う機会がなくて、本当に申し訳ないことしました」
「別に問題ない。エリックの兄貴からは話は聞いている。儂が、かつて聖騎士だったことを」
キースは、聖騎士だった頃の話を、兄妹に言い聞かせた。
「儂が若い頃、聖騎士だった。儂が聖騎士を辞めた理由は、四天王と呼ばれる魔物に会っていた」
「四天王? 聞いたことないな」
「儂は四天王を恐れた」
キースは、若い頃、聖騎士団に入り、数多くの魔物と戦い、倒してきた。
キースの同期は20人であり、キースは誰よりも若く、地位は最下であった、
「いいか皆んな、ここから先、どんな魔物が現れるかは分からないから、用心するんだ」
キースと同期の仲間は、暗黒魔界城で、四天王と対峙する。
「我らは四天王なり。大魔王様の復活のため貴様等の血頂戴いたす」
「四天王だと?」
「左様。死を望めば、ここを通す」
「そうはさせん。こちらは大勢だ」
「数で見くびるでない。覚悟せよ」
四天王は、キースと同期の仲間を相手に、攻める。
激しい戦いに、キースの仲間達は、次から次へと倒れていき、命を落としていった。「キース、お前だけでも生き延びるんだ。奴等は、俺が食い止める」
キースは、仲間の言葉を信じ、逃げる。
キースは、必死で逃げるも、四天王に追いつかれてしまう。
「今度こそ、貴様の命、ここで終わりにしてやろう」
その時、キースは、最後の力を振り絞り、四天王を撃退した。
「何だと? こいつは、只者ではない。退散する」
「俺は、こんな連中とは戦うべきではなかった」
聖騎士団長に助けられたキースは、「俺、聖騎士を辞める。あの四天王によって、仲間が皆殺しにされた」と、聖騎士団を辞めることになった。
キースは、ケントとソフィアに言い聞かせた。
「あれ以来、儂は、血筋を残すために、エリックの兄貴や、一族の皆に聖騎士にならないようにと言っておいた。儂は、今でも、その教えを守り教えに従っている」
キースは四天王相手に、苦戦して、大切な仲間の命が奪われたことをきっかけに、聖騎士を辞めた過去を語った。