第101章 人間らしさ
聖騎士団と「戦車」の魔王との戦いに決着が着くのか?
ケントが立ち上がり、体制を立て直す聖騎士団であった。
「全く全く。それが無謀だとして、それでも戦う気があるのか?」
「そうだ」
「絶望の底に堕ちろ」
バルログは、ケントを殺し損ねたことに対する憤りを露わにした。
「これは、躱せないよ」と、バルログは、ケントに攻撃する。
(こいつ、何をするつもりだ? だが、それでも、俺は戦わければ)
ケントは、一方的に防勢となっていた。
「負けるわけにはいかない」
ケントは、隙を狙い仕掛けるも、バルログには効きません。
「僕の弱点を見つけるなんて無駄だ」
アーサーは言う。「ケント、こいつと戦う相手は私だ」
「だめだ、いくら俺の剣でこいつを斬ってもすぐに元通りになってしまう。なんてやつだ」
バルログは、ソフィアにむけて指をさす。
「この女は、魔物だから、僕に寄越すんだ」
「何を言うんだ。ソフィアは俺の妹だ。ソフィアは誰にも渡さない。例え、魔物であろうとなかろうとな」
「なぜ君は、この女を渡そうとしないのだ?」
「ソフィアには、人間らしさがある」
ケントは、妹であるソフィアが、魔物体質であることを知っており、ソフィアには、人間らしさが保たれていることから、ケントは、妹であるソフィアを大魔王の下には渡さないのだ。
アーサーは、「聖騎士とは、守るべき者のために自らの命を掛けて戦わねばならない。だから、目の前の敵は倒す」と、聖騎士として、十将として戦わなければならなかった。
「フリン殿、無茶しないでくれ」「お前たちは、手を出すな。このガイコツは、私が一人で相手する」
「それはできない。俺が行かなきゃ、あいつを倒すことがない。だから、聖騎士に必要なのは団結だ」「そうよ、お兄ちゃんが、行くなら、私も行く」
フレイザー兄妹がアーサーのことを心配するように、自身も共に戦わないと、みんながやられてしまうと思い、フレイザー兄妹は、バルログと戦うのだ。
リドリーを始め、フレイザー兄妹の同期もケントの意見に同調し、バルログに立ち向かう。
バルログは、悪夢の館の部屋を回す。
「お兄ちゃん、危ない」
ソフィアの一言で、ケントは、バルログの攻撃を躱す。
(よく見るんだ俺。こいつの力は計り知れない。こいつの歯ぎしりは、後回転。唸り声は、前回転。鼻息は、左回転。首振りは、右回転。そして、甲冑から出る音は、切り裂き攻撃)
「このガイコツは私が倒す」「腹立たしい。言ったはずだ。僕には弱点はないと」
「それはどうかな?」
ケント達聖騎士団は、聖騎士としての使命があることを、バルログは知らない。
ケントは、バルログには弱点があるはずだと信じている。