第90章 騎士道
騎士道とはなにか?
聖騎士団は、魔物と戦う。
フレイザー兄妹を始めとした聖騎士団が、アリスとオルガの家で、寝泊まりしていた。
フレイザー兄妹がとある場所に立っている。
「お主らは我らに何か言うことでもあるのか?」
「消えた人たちを探しに行きたいのだか、場所がわからない」
「そうか? 我らにどうしろと言うのだ?」
「騎士道精神に反しない為にも、私とお兄ちゃんの力になってほしいの」
「ふむふむ、我らにとっては、納得いきそうな願いか。それなら我が選ぶとしよう」
ジギーは、フレイザー兄妹の言葉を聞くと、15の椅子に座っている者を選ぶ。
「お呼びですか? 先代様」「あぁその通りだ。この兄妹の力になって欲しいとのことだが」「かしこまりました」
ケントは、15の椅子の方向を向きます。
真っ黒だった15代目の姿が現れます。
「エリウッドは僕の名。15代目の継承者」
ジギーは、ケントとソフィアに15代目の力を与えると同時に大魔王に対し警戒するように告げた。
「今の我ら炎の痣の力と聖騎士の騎士道が合わさっても、お主等兄妹は大魔王に勝てる最高確率は僅か0.000001%にも満たない。だが、希望は決して捨ててはならぬ事だ」
フレイザー兄妹は、聖騎士である以上、魔物と戦う使命を背負う。
「今こそ目覚めよ。夜明けが来るで候」
ベンはフレイザー兄妹を起こすように言い聞かせます。
夜が明け、フレイザー兄妹は起きます。
フレイザー兄妹は、今事を手短に説明し、家を後にした。
「本当にケントに任せていいのか?」「私が適任と決めたからには、心配することなど何もない」「君の姉さんが無事であればいいことだが」
ソフィアの帽子の中で、聖騎士団は、アリスの姉オルガの足取りをフレイザー兄妹に任せ、待機していた。
「お兄ちゃん、皆を私の帽子の中に入れて大丈夫かな?」「何心配ない。なんたって、目的地に到着するまで誤って出ることは無い」
フレイザー兄妹は、街中を歩く。
ケントは空を見上げると、空模様の動きが怪しくなってきます。
フレイザー兄妹は、帽子から、聖騎士団を出します。
「皆、戦闘態勢に入るんだ。何か嫌な予感がする」
聖騎士団は、戦闘態勢に入る。
その時、ソフィアが何かを感じます。「何かが私たちの方向に来るよ」
「よし、ここは俺に任せろ」と、ケントが聖騎士の剣を抜き、地面に突き刺します。
「グアアァァァァァァァァッ」と、謎の魔物が飛び出て叫びます。
「動くガイコツが大きなうなり声をあげたーーー」と、リドリーが叫びます。
「黙って落ち着くんだ。全く君はこんな魔物を見ると大きい声で叫ぶように怖がるとはな。聖騎士らしくないぞ」と、アーサーはリドリーを叱ります。
「大丈夫ですか? 今助けるから」と、ケントは、咄嗟の判断で魔物に連れ攫われそうな少女を助け出す。
「何をするんだっーー? その女の血肉は、希少価値があるんだ」とガイコツは言います。
「助かった……」
ソフィアが、少女の傍に近づき、「大丈夫? 名前は?」と言う。
「ルビー」と少女は答える。
「怖がらないで。私とお兄ちゃんがあなたを守るから」
ソフィアは、ルビーと名乗る少女を怖がらせないように気を使う。
(何だこのガイコツは? 執事みたいな姿をしている)ケントは、ガイコツに向かって言う。「なぜ攫おうとしたんだ? それと、血肉の希少価値とは何なんだ?」
「知るか! あるお方に頼まれて言われたんだ」
「誰だ? あるお方と言う人物は何者だ?」
「本当の名は言わない。『戦車』の魔王だ」
ソフィアは、耳を疑う。「『戦車』? 今『戦車』と言ったでしょ」
「そうだ。だが、家族の営みをやっている」
ケントは、「その女をどこへ連れていくつもりだったんだ?」
「知らない」
執事ガイコツは、タロットカード「戦車」の魔王の事を話したが、行き先は言おうとはしなかった。
ところが、ギネヴィアは怒りの感情をむき出しにし、「暗黒魔槍」を出した。
「グバァッ」執事ガイコツは、ギネヴィアが放った暗黒魔槍を受けてしまい、倒れた。
消える間際に「あっ……悪……夢……の……館」と言い放った。
アーサーは、「なっ、何をしたんだ君? 今、魔物が話している所に手をだすなんて、騎士道に反することだ」と、ギネヴィアを叱る。
ケント達は、タロットカード『戦車』の魔王が居る可能性が高いとされてる悪夢の館を目指す。