第88章 次なる旅先
ケント達は、いよいよソウマと別れ、次なる旅先へと行く。
お祭りは大いに賑わいを見せ終わった。
「お祭りは、良かったもんだ」「ソフィアは、猫のぬいぐるみを射的で手に入れたもんだな」「踊り手の人達もたくさん居たよ」
「屋台の味はどれも良かったもんだ」
ケント達は、お祭りを通して、異国文化を知ることとなった。
翌日、ケント達がソウマと別れる時が来た。
「ソウマ、色々世話をかけた」「ケント、もうここを離れることになるのか?」「あぁ、そうだ」「それは残念なもんだ。でも、俺の周りの人達は死神がいなくなって良かったと言っていた」
和の異国では、ケント達聖騎士団の活躍もあり、魔王のいない暮らしが始まることになった。
「俺は、弟の遺志を継いで、この地を化け物から守らねばならない。ケント、ここから先のことは険しいかもしれないから気をつけろよ」「あぁ、そうする」
ソウマはフレイザー兄妹の旅を見送る際、兄妹におにぎりを渡していた。
一方、暗黒魔界城にて、「ザックス、報告しろ」「はい、あの炎の痣を持つ者は生き延びました」「なぜだ? なぜ生き延びているのだ?」「それによりますと、悲報と朗報があります。朗報は、女になる小僧を殺すことに成功しました。悲報は、そのことがきっかけで、ガロンは聖騎士の怒りを買ってしまい死にました」「殺したのは炎の痣を持つ者か?」「いいえ違います。ガロンを殺したのは、老いぼれ時が近いとされている聖騎士の大男でありまして」「なんだと? あの長い経験を積んでいる聖騎士の大男だと?」「左様です」「近頃の人間共め、なぜだ? なぜ我々を恐れないのだ?」「もしかすると、大魔王様に刃向かう魔族が増えたのかもしれないでしょうか」
大魔王は、また一人同胞が倒されたことに立腹していた。
ザックスの推測によると、大魔王に反旗を翻す魔族が増えたということだった。
「もうそろそろ、総本山に戻るとしますか?」「そうだな、報告すべきこともあるのだから」「俺達もついて行っても良いのか?」「いや、お前達4人は、ついてこなくていいから」「何故ですか?」「新しい任務が下りた」
グレイグは、新しい任務が下りたことを、ケント達4人に言ったことにより、総本山に戻らず、新しい任務の地へ向かう。
「場所は、この国を出て遥か西に向かっていくのだ。そこに悪夢の館と呼ばれる場所がある」
「悪夢の館? 聞いたことない」「報告によると行方不明者が多発していると」「すでにお前たちの同期はそこに向かっている。合流すると良い」
ケント達4人の同期がすでに悪夢の館と思われるところに向かっていることを知らされたのを受け、ケント、ソフィア、リドリー、サイラスの4人は、次の目的地に行くことになった。
そして、とある場所では、とある少年と恋人と恋人の姉が、街を歩いていたところ、恋人の姉が消える事件が発生した。
和の異国編完結。
ケント達4人は、同期と合流するため、悪夢の館へ向かう。