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運命は巡る

少年はご機嫌ななめである。

「はっはっはっ、格好いい顔が台無しだな」

そこを理容師がばさっとカットクロスをかける。

「だってお耳が痛くなっちゃうよ」

「そんなことないぞ」

「お母さんのすごく痛かったもん」

「それってどんな風に?」

「え~なんかこう、グリグリィィィって」

大袈裟なのかもしれないし、本当なのかもしれない。

「おじさんはそんなことしないし、もし痛かったら、そこでやめるよ」

「本当?」

「本当だよ」

「そう?じゃあ、お願いします!」

根は素直な子供なのだろう。

子供の耳は小さく、母親はおっかなびっかりで耳かきをしていたが、ギブアップ。

髪を切る際に、耳かきはできますか?と聞いたところ。

「いいですよ」

いつもは子供の耳かきは受けないが、理容師には少年と同じぐらいの子供がいるので、引き受けた。

ギュ

耳の中に耳かきが入ろうとすると、少年は拳を強く握りしめた。

「大丈夫だからね、動かないでね」

声をかけて耳かきを始める。

奥の方で耳かきを感じると、拳だけではなく瞼もギュっと、シワがよるぐらい強く閉じた。

しかし、痛くはないので、徐々に緊張は解けているようだ。

「ほら、こんなに大きいのがとれたぞ」

そういって取れたものを見せる。

「滅茶苦茶汚い」

「だからキレイにしようね」

「わかった!」

ここで心を許したらしく、そのままおとなしく最後まで掃除させてくれた。

「ふう!」

お母さんが車を店の前に移動させている間待っているのだが、少年は疲れてしまったらしくソファーにぐったり横になっている。

「お父さん、仕事終わった?」

そこに少年と同じぐらいの、理容師の娘がお店のドアをあけてこっちを覗いている。

薄目をあけた少年が少女を見た瞬間、さぅきまでぐったりしたとは思えないぐらい、シャキッとした。

「じゃあ、帰るわよ」

お母さんが声をかけると。

「わかりました、お母様」

たぶんいつもはお母様と呼んでないんだろうなっていう呼び方をして、少年は帰っていき。次からお店にくると、 ずっとドアの方を見て、少女が顔を出さないかソワソワして見るようになった。

(娘はあげませんよ!)

といってますが、こちらの調べによりますと、あなたもここの娘さんに目当てでわざわざ通っていた時期がありますよね?

どうも運命は巡るようだ

BGMや効果音がついたのべるちゃんでも耳かき小説を作りました。

無料で見れます!

https://novelchan.novelsphere.jp/36001/

「耳かきの話~The sweets」です。

The sweetsには快楽という意味もあります。

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