不機嫌なとき
ここで初公開の新作。
「うわ…汚い耳、何でここまで汚いままにしているんですか?少しは掃除される方の身になってください」
コリコリ
「それとも掃除をされたいから、わざわざ耳を汚くしているんですか?変態じゃないですか」
パリ!
「そんな変態さんにはおしおきしないと」
ペリペリペリ
「びっくりした?でもやめてなんかあげませんよ、ほら、ここも!」
ザリザリ
「うわ、すごい汚い~もう見て、これ」
そういって取れたてのブツを見せてくる。
「どうやったら、ここまで汚くなれるんだろう」
カリカリ
「だからちゃんと綺麗にしてくるようにっていったでしょ、耳かきもうしてあげないよ」
ポリ!
「ねえ、今の気持ち良かったでしょ、体とかピクッて動いてたもんね、こういうこと好きなのに、好きってなかなか言えなくて、それなのに私に見抜かれて、今膝の上にいるのって、どんな気持ち?」
もちろん最高でございます。
そう、耳かき好きということを知られないように生きてきた、しかしだ、しかし、疲れて、もうどうしようもない状態、仕事なんかもうやめてやるわ!の時に、新しい耳かきなどを買おうとした、そこで彼女と出会った。
「その耳、奥まで掃除させてくれない?」
「はい」
斬新な声のかけ方、でも嫌いではない。
いつもは返事をしません、いつもは返事をしませんが、その時見抜かれて返事をしてしまいました。
そのまままな板の上の鯉となり、板前さん、美味しくしてねと目を閉じた。
グイっと耳を引っ張られ、サクサクサクと耳かきが音をたてて、中に侵入してくる。
垢の多い部分だから、そんな音をたててるのだ。
そこを何度かいったり来たりしながら、クリン!
耳かきが耳の中で、そう動いたときに、今まで感じたことがない絶頂がやってきた。
「耳の中が綺麗だから、奥の方がまで入れることになったじゃない」
「申し訳ありません」
トントン
「そこをトントンしちゃだめぇ!」
毎回毎回こんな調子で翻弄されて終わります、そうですね、次来るときはもうちょっとご機嫌ななめの時に、耳かきをお願いしたいと思います。




