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ラヴァーズコンチェルト  作者: 神崎るか
8/11

八曲目

歌が...聴こえる......



「....と.....さと...みさと!!」


「ふぉ!?」


「やぁーっと起きた。ほら、早よせんと昼休み終わってまうで!次移動やろ!」


「え?あ!うん!」


「クマひどいでー。疲れてんの?」


「だいぶしごかれてるからねぇ。このまま卒業まで持つかも心配」


「まぁ、あのセンセの厳しさは愛情の裏返しって先輩もゆーてたしな。耐えるんやで!」



あれ?この風景、私、知ってる...



「甘いもん食べへんとやってられんわ!!」


「分かる分かる!」


「今日みさとのとこ遊びいってもえー?」


「もちろん!」


「一人暮らしってえーなー」


「そんな良いもんじゃないよ。さすがに寂しい」



ひとり、ぐらし....?



(ねぇ、今度の選抜、一年からも1人でるってまじ?)


(長野がすごく押したらしいよ)


(ってことはほぼ主役確定じゃん!!)


(許せないよね)


(絶対許せない)



な、に...いまの....



「今回の舞台、主役は一年の佐々木みさとさんです。上級生はしっかりサポートすること。いいですね!」


「「「はい!!!!」」」


(ありえなくね?)


(今回は唯が主役だと思ってたのに)


(唯先輩....)


(先生も耳おかしくなってんじゃないの)



「佐々木さん!!!そこ!!!そんなんじゃちっとも伝わりませんよ!!!」


「は、はい!!」


「ダメダメ!!!何度言ったら分かるの!まったく。10分休憩!!」


「はい....」


(何であんな子が?)


(今からでも降りればいいのに)


(ほんとうざい)



これは、なに??



「ねぇ、ケーキ食べてストレス発散しない?カフェ入れば朝言ってた話もゆっくり聞けるし」


「いーね!いこ...危ない!!!!!!」



つきとば、され、た......?



「思い出しましたか?」


「.....!?!?」


「学校で先輩方にいじめられていたこと」


「わた、し....」


「歌手になることをご両親に反対され1人上京してきたこと」


「わた、し.....」


「そんな貴女の理想のご両親はどうでしたか?

貴女は記憶がないのをいいことに一度もお父さん、お母さんと呼びませんでしたね」


「わたしっ....」


「学校へ通っていたことも全て忘れて、他からの攻撃のない生活は幸せでしたか?」


「っ......!!」


「ずっと、貴女を待っている人が居ます。もう現実に戻りなさい」


「あの....」


「貴女が眠ってからもう2年になります。」


「えっ....」


「貴女の幸せを祈っていますよ」


「あの....!!!!」





「....ん」


眩しい.....。

視界が、なんだか白い。


「....!!!先生!!!彼女が!!目を覚ましました!!!!」


「...こ、こ、は.....?」


私の声は、きちんと出ているのだろうか。


「ここは病院。貴女は2年も眠っていたんです。良かった....目を覚ましてくれて、本当に良かった.....」


「...あ、な、た....は?」


「僕は、貴女の、ファンです」


「.....ありが、と、う」

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