神っていろんな人が居て大変らしい
そこからの私の記憶は曖昧だった。
救急車の音を聞いたり、誰かが私に声を掛けていたようにも感じた。
そのとき私は思った。
これが死ぬ前に感じる何かなんだろう、と。
そこからは何も感じず、覚えていなかった。
暫くして、目をひらくと白い天井が目に入った。起き上がり、「ふぁわ~!」と声を出しながら大きな欠伸をした。
感覚からするとよく寝たと言うような感じ。
欠伸をし、辺りを見回すと大きな家の一室で白が貴重とされている明るい部屋だった。後には扉があり、これは黒で染められているような扉だった。
扉の方に歩き、恐る恐る開けると、長い廊下が目に入った。トコトコとその廊下を端の方まで歩くと又しても扉があった。今度こそと思い、開けるとそこには1人の人がお茶飲み、一服していた。
「あの……」
「………」
「あの!!」
「!?……おや?もう、起きたのかな?」
その人の声はとても優しい声で聞き覚えがある声だった。
「有川美佳さん…?だっけ?悪いけど、此方に来てくれないかな?」
「あっ、はい……」
声の方に近付くとそこにはきっちりとしたテーブルとイスがあり、目の前のイスには声の主が座っていた。
「そこ、そこに座って。」
と言われたので指示通りに座ると立っていて気付かなかったが目の前に座っているのは神とネームバッジを付けた白髪の男の人だった。
「私は生命の神なのだけれど……まず、一言言わせて欲しい。」
「ど、どうぞ?」
「世界の神のバカが苛ついた衝撃で君に影響が行ったことを謝らせて欲しい。すまない。」
世界の神?生命の神?影響?全く意味が判らないのですが……でもこれだけは判る。世界の神はバカだって事だけは。
「あの…一応理解は出来ましたけど葉澄は?」
「あぁ、山脇葉澄ちゃんかい?その子なら現実世界に生き残ってるよ。」
「そうでしたか。」
良かった……葉澄が生きてるなら安心して成仏できる。
「ところで…美佳ちゃん。異世界に行ってくれないかな?神様代行として」
「えっ?それって本気ですか?」
「うん。本気で言ってるよ?」
どうやら、生命の神は私を簡単には手離すつもりはないみたいです。