誤解は解けたが、問題が……
リアルのほうがいろいろ忙しく更新が滞ってしまい申し訳ございません。
「あ、あの、皆さん。そんなに近づいてて、大丈夫なのですか?」
一人離れた場所からスフィアが怖々と皆に話しかけてくる。それでようやく彼女以外(グルグル巻きのギルツは除外)皆私の近くにいることに気が付いた。私の後ろに大きな雪豹がいるというのに。
「大丈夫よ、スフィアさん。さっきも見たでしょ? 彼女があの男をペチペチしてたの。この豹は敵じゃないわ」
『そうそう、私は基本温厚なの、皆に攻撃なんてしないわよぉ~。何だったら皆、ペロペロしてあげようか?』
「やめて、かえって逆効果よ」
私は振り向いて豹にツッコミを入れる。
「あの、本当に大丈夫なのですか?」
心配そうに近づいてきたスフィアがなぜか豹を見ず私をしっかり見て言ってきた。
「その大丈夫は豹に対してかしら? 私のオツムに対してかしら?」
「…………そ、それよりもフィフィ様。検証するとはどのようなことをするのでしょうか?」
私が半眼になってスフィアに聞くと、彼女は一瞬目を泳がせ、話題を変えてきた。言いたいことはあったが、私もフィフィの検証が気になっているのは事実なので、追求はせず話を進めさせることにする。
「……んっ、メアリィ様が豹と会話できると仮定して」
「仮定じゃないわよ! 真実よ、真実!」
せっかく話が進んだのに自分でその流れをぶったぎってしまった私は、咳払いをして、先を促した。
「……とりあえず、意志疎通できているか実験してみよう。まず、メアリィ様と豹は互いが見えないように後ろを向いて、離れる」
私は言われた通り、豹に背中を向けて少し離れた。後ろでノソノソと何かが動く音がするので豹も従って後ろを向いたのだろう。
「念のため、メアリィ様には目隠ししてもらう。テュッテさん、お願い」
「あ、はい。ではお嬢様、失礼します」
フィフィの命令でテュッテが私の後ろから手で目を隠してきた。所謂「だ~れだ♪」状態である。
「それで、これからどうするの?」
私は何も見えない状態でそのまま先を促した。
「……これから豹に四つ以上の数字を見せる。それを豹がメアリィ様に教えてあげる。三連続で当たっていれば、二人は何らかの要因で意志の疎通ができている可能性が出てくる」
(なるほど、伝言ゲームみたいなものね)
「……ちなみに、豹は数字を理解してるのか?」
『失礼ねぇ~。できるに決まってるじゃない』
フィフィの疑問に不満そうに答える豹。皆は聞こえていないので無反応だ。
「大丈夫そうよ」
代わりに私が答える。この時点で意志疎通ができていると証明できてるんじゃないかしらと私はふと思ったが、とにかく、皆が納得してもらえればそれで良い。
「あ、じゃあ、サフィナも皆から離れて後ろを向いていて。あなたと私、今、伝達魔法で繋がってるからそっちから情報漏洩疑惑が出ちゃうわ」
「あ、はい、分かりました」
サフィナの声が聞こえると遠くへ走っていく音がする。これで全ての準備が整った。
「……では、第一問」
紙に書いてるのかそこからフィフィの声が途絶える。おそらく数字を知るのはフィフィと豹だけにしているのだろう。
『えっと、1547』
「1547」
私は聞いた数字をそのまま答える。
「……正解」
「「「おぉ~」」」
外野から拍手が聞こえてきた。
「……次、第二問」
『46586732』
「465は、ち……ちょ、ちょっとまって、早い早い。あと数字多すぎ」
『も~、この程度の数字も言えないの~。メアリィってばおバカさんなのね?』
「バカじゃないわよ! あなたの伝え方が下手くそなのよ!」
「……実験に集中して」
「すみません」
『ごめんなさい』
脱線してしまった私達にフィフィが注意してきた。彼女は怒らせると怖いタイプなのでおとなしく従っておこう。
『えっとぉ~。4658』
「4658」
『6732』
「6732」
「……正解」
「「「おおおお~~」」」
さらに歓声と拍手が大きくなる。
「……最終問題」
『584758698309586』
「まてまてまて、数字多すぎにも程があるでしょ! ゆっくり言いなさいって言ってるでしょうが」
『ごめんごめん、ちょっとした茶目っ気よ♪』
「私の精神問題に関わっているのよ、まじめにやれ」
私は低い声で豹に忠告してやる。
『は~い。えっと58475』
「58475」
『86983』
「86983」
『09586』
「09586」
「……正解。これだけの数字を正確に言い当てている以上、メアリィ様と豹はやはり意志疎通を可能にしている」
フィフィの言葉に私は飛び上がりたくなるほど嬉しくなった。判決、無罪を言い渡された気分である。まぁ、裁判なんて受けたことないけど……。
スッと私から手をのけるテュッテ。
「申し訳ございません、お嬢様。お嬢様を疑うようなことを」
「あ~、良いのよ、別に気にし……」
振り返って苦笑いを見せようとした私はギョッとした。私が昔やらかして王子の前でマギルカと一緒にやったあの土下座をテュッテがしていたのだ。
「ちょ、ちょっとテュッテ」
「私は、お嬢様を心配する余り、お嬢様の言うことを疑ってしまいました。申し訳ございません! 申し訳ございません、お嬢様!」
そういえば、土下座とは何かをテュッテには教えてあったことを私は思いだし、涙声でそれでもひたすら謝る彼女に怒る気など微塵もなかった。
「顔を上げてテュッテ。あなたはあなたなりに私を心配してくれていただけじゃない。ちょっとした行き違いよ。笑ったりした奴もいた中で、あなたは真剣に私を心配してくれたわ。ありがとう、テュッテ」
「おじょうさまぁぁぁ」
顔を上げたテュッテは涙でひどい顔だった。それほどまでに自分の行いに悔いていたのだろう。失礼かもしれないがそれだけで私は嬉しかった。私のことをこれほどまでに真剣に考えてくれる大事なメイドに……。
『いい話ねぇ~。お姉さんもらい泣きしちゃうわ~』
感動しながら豹がこちらに寄ってくると、立ち上がったテュッテの頬をぺろりと舐めた。
「ぴゃぁっ!」
あまりの出来事にテュッテがカチンコチンに固まってしまう。
「ちょ、ちょっと、テュッテがびっくりしてるじゃない! 変なことしないでよね!」
私は固まったテュッテを抱き寄せ、豹から守り、シッシッと手で追い払う素振りを見せる。豹は「はいはい」という風に私達から少し離れていった。
「……意志疎通は理解した。が、なぜメアリィ様としかできないのか、それが疑問」
何かを考えていたのかフィフィが私達の所にやってくる。
(確かに、それは疑問よね)
「……メアリィ様、声が聞こえると言っていたがどんな感じ」
「どんなって……そうね、伝達魔法みたいに頭の中に声が響いてくる感じ? みたいな」
『そりゃそうよ。私のは伝達魔法を超えた念話なんだから』
自慢げに会話に割り込んでくる豹。
「伝達魔法を超えた念話だって言ってるわよ」
私はそれをそのままフィフィに伝える。
「……念話。それは確か伝達魔法と違って特定の相手ではなく誰とでもさらにはどんな種族とも会話可能な特殊な幻の魔法と本で読んだことがある」
無表情なので驚いているのか些かよく分からないが、この豹は大層な魔法を使ってらっしゃるようだ。
「誰とでもと言っておりましたが、私達には聞こえておりませんよ」
スフィアが気がつき、フィフィに問う。
『ああ、それは私が恐れ多くも神獣様なのでいろいろと制限がついてるのよ。神獣ってほらぁ~、神々しいイメージあるからポンポンしゃべるなってことかしらねぇ~』
(確かに、こんなゆる~い会話聞かされたら神獣の威厳なんて木っ端微塵だわ)
「神獣には制限があるんだって」
私は呆れつつも豹の言葉を皆に伝えた。
『そうそう♪ 私の場合、まず純血種の人族でないとダメェ~』
「この豹の場合、純血種の人族でないとダメみたいよ」
「……つまり、獣人やエルフなどの亜人族や魔族ではダメと」
私の言葉にがっくりと肩を落とすフィフィとスフィア。エミリアが神獣はしゃべらんっと言っていたのはそのせいだったのかと、私は思い出す。
『それからぁ~、五階級魔法以上を扱える人じゃないとだめぇ~』
「それから、ごかっ……」
危うくそのまま口にしようとして、私は慌てて口をつぐんだ。私の様子に皆不思議がって見つめてくる。
(まずい、これは非常にまずいことになったわ。正直に話すわけにもいかないし、かといって、ここで話を切ると、じゃあ、何でテュッテやサフィナには聞こえないのかとなってしまう。魔力の問題でとか言って誤魔化すか。あ、でももしマギルカとかにも会ってしまって、声が聞こえないとかになったら、泥沼にはまりそう)
「ちょっと、こっちこようか」
私は豹をチョイチョイと手招きし、皆から離れる。私にしか聞こえないのに内緒話をするときは隠れる癖がついてしまったようだ。
「他には? 他にはないの、何か理由?」
『ほかぁ~? あっ! あと、特例があったわねぇ~。それだと問答無用で会話が成立するわ』
「何、それは?」
『神に認められし、聖女様。もしくは聖者様や勇者様』
「せいじょぉぉぉっ!」
期待とは裏腹の答えに私は思わず声に出してしまった。皆びっくりしてこちらを見てくる。
「あ、あははは、何でもございませんわよ。おほほほ」
「……今、確かせいじょ、つまり聖女という単語が聞こえた」
めざとくもフィフィが耳をピクピク動かして、皆に囁く。
(くっ、耳の良い獣人族でいらっしゃるわね。く、やはりこれは、魔力の問題で誤魔化すしかあるまい。くぅぅ、何で私だけになっちゃったかなぁ……うっかり周波数があっちゃったみたいで……ん? 周波数?)
ここで私は天啓を受けたようにある意味素晴らしい言い訳を見いだした。
「あのね、皆。どうやらある程度高い魔力と周波数の問題で聞こえる人と聞こえない人がいるみたいよ。何というか、周波数が合わない人と合う人がいて、たまたま私だけが魔力と周波数のチャンネルがあって聞こえちゃったみたいなの」
皆に嘘をつくのは大変心苦しいが、「五階級魔法以上扱えるから聞こえる」もしくは「聖女だから聞こえる」よりはましだと私は自分に言い聞かせる。
(よし、完璧な言い訳! 自分でも誉めてやりたい!)
私は心の中でガッツポーズをとった。だが、私の会心の言い訳を聞いた皆はなぜかポカ~ンとした顔をしている。
「……メアリィ様」
「なにかしら?」
フィフィが無表情のまま聞いてくるので答える。
「……しゅうはすうってなに?」
(そこからかぁぁぁ!)
私は前世の現代科学の言葉を言い訳に使っていることに気がつかず、あえなく轟沈しそうになる。とはいえ、自分で言っといて何だが、私も周波数とは何か詳しくは知らないのだった。
「……とても興味深い言葉。詳しく説明を」
(くそぉぉぉ、どうしてこう技術者っていうのは飽くなき探求心で攻めてくるのかしらね。へぇ~、そうなんだ~で疑問もなく受け止めてくれれば良いものを。まぁ、その探求心のおかげで私も濡れ衣が晴れた口だから何も言えないけど)
ジリジリと詰め寄ってくるフィフィに私はひきつった笑顔で迎える。もう内心冷や汗ダラダラであった。
「そんなことよりも、気をつけぇぇぇい! あの男がさっきの場所におらんぞぉぉぉ! 奴め、儂が作っておる本命の部屋へ行こうとしておる。止めるのじゃあぁぁぁ!」
私がどうしようかと思い悩んでいるとき、芋虫状態のギルツが部屋から出てきて、声を上げた。
(これは、この話をうやむやにできるチャンスかも! ありがとう、お爺さん! ありがとう、神様!)
私はチャンスとばかりに辺りを見渡す。すると、ヨロヨロと歩いている男が一人いた。あの傷で動けるのかと思ったが、彼は司祭の格好をしていたし、聖教国の人間だ。回復魔法の一つや二つ使えてもおかしくない。さらに彼の足下に何かピンのようなものが落ちていたので、おそらく回復アイテムも使ったのだろう。それでもダメージがひどいのか、虫の息だった人が重傷者に変わっただけである。あれでは私達とは戦えない。
「ギルツさん、本命ってどういうこと!」
「言葉通りじゃ。ダブザルめに作ったのは試作品。それを元に研究を重ねているのが本命の作品。このギルツ一世一代の大作品じゃ!」
並ぶものなしと言われ、称えられた数多くの宝具級武器アイテムを生み出してきたギルツ渾身の作品。しかも、超大型殲滅魔工兵器とかいう物騒なものを下地にしているのだ。やばさがプンプンとしてくる。
私とサフィナが慌てて彼を追っていく。
若者がその部屋に入って数十秒、私達もその部屋に駆け込んだ。部屋の中には何かの実験結果の残骸、作り途中かもしれない物、大量の資料に何かの絵。それがそこかしこに散らばっている。そして、その中の一つ、大きな箱の前に若者は立っていた。
「フッ、フハハハ! これか、これがあの最高の魔工武器を作り続けたギルツの渾身の作品か。フヒヒ、これで全員、皆殺しだぁぁぁっ!」
若者は頭がイかれたような笑いを零し、血走った目で箱の中身を凝視し、手を突っ込んで中身を取り出し抱え上げた。
「「「…………」」」
部屋一帯が沈黙に包まれる。
若者が掲げ上げたそれは、なんて言うのか人の頭部(?)にも見えるが不細工というか、なんというか下手な似顔絵をそのまま立体にした感じである意味ちょっとしたホラーだ。
只一つだけ言えることは、それが武器として何の役にも立ちそうにないガラクタであるということは確かであった。
「……な、なんだ、これは?」
息も絶え絶えに必死にここまでやってきて、やっと手にした物が何かよく分からない頭(?)のガラクタだったのだ。そりゃあ、そんな反応になるのも無理はない。若者は持っていたガラクタを投げ捨て中身を漁るが、やはりどれもこれも似たような物ばかり。
「……そんな」
ヨロヨロとふらつきながらも若者は別の箱に行く。そして中身を見て、震えていた。おそらくさっきと似たものが入っていたのだろうか。
「なんなんだ……これは。これが……最高の武器アイテムを作り続けた男の集大成……だと……はっ、はははっ……」
取り出したのは小さな子供が描くような曖昧な形の手だった。若者は乾いた笑いを見せながらヨロヨロと後ろに下がり、壁に背中をつけるとそのまま力なく倒れ込んでしまう。
(あ~、何かだんだん私、分かってきちゃったかも……)
完全に戦意を失った彼を確認して私は後ろを見ると、フィフィに首謀者を連行するように言う。そして、スフィアには若者の拘束を指示した。彼はもう目の焦点があっておらず空ろな状態で、彼女に後ろ手で拘束されるがままである。そして、スフィアは彼を抱えて部屋の外へと放り出すため出ていった。代わるように、フィフィがすぐにグルグル巻きのギルツを担ぎ上げて、ここまで連れてくる。そして、ドサッと私の前に投げ捨ててきた。
「さて、ギルツさん。弟子のフィフィさんを放ったらかしにして、あんな連中とつるんで、ここで一体何をしていたのか、お聞かせいただけますか?」
私は両腕を組み、仁王立ちになってグルグル巻きの芋虫ギルツを見下ろした。
「え、え~と、じゃから、ダブザルめに頼まれて超大型……」
「そんな隠れ蓑は良いのです。本命を聞いているのです」
私から視線を外し、出会ったときの威勢はどこへやら、すっかり萎縮してしまっているギルツ。何か言えないことでもしていたのだろうか。
私はおもむろに歩き出し、先ほど若者が漁っていた箱まで行く。そして、中にあったガラクタを一つ取り出した。
「これ、各パーツの位置をよぉぉぉく見ると、人の顔にも見えますよね」
私がもったいぶった言い方をすると、ギルツがギクリと体を震わせた。
「それにこちらの汚い字で書かれている資料。『ミスリル鉱石を利用し、半永久的なモチモチ肌にするには』と、書かれているように私には読めるんですけど」
私は一枚の紙を取り、それに目を通しながらヒラヒラと振る。すると、再びギルツがギクリと体を震わせた。
「……師匠。皆を巻き込んで、こんな騒ぎ起こしてまで本当は何作ってた」
芋虫のギルツの頭を両端で押さえ込み、抱え上げるとフィフィはその顔をじっと見つめる。無表情だが、そのオーラは冷たい。そして、四方を鏡で包まれたガマガエルが脂汗をかくといった感じか、全身から冷や汗をダラダラと流してギルツの目が泳いでいた。
「……師匠」
「ま、魔工技術でゴーレムを作ろうとしとったんじゃあぁぁぁ!」
フィフィのプレッシャーに耐えられなくなったのかついにギルツがゲロッた。
「ゴーレム?」
「そ、そうじゃ! 通常は魔術師が魔法陣を使って想像力と魔力で生み出すしかできなかったあのゴーレムを儂ら魔工技師がその技術力を持って生み出せないかと思ったんじゃ! 成功すれば魔法より長く存在できる。とても崇高で歴史的にも偉業なる試みなのじゃよ」
ギルツの言うことはもっともだった。ゴーレムは今のところ魔術師しか作ることができない。しかも魔力で維持しているため、切れると崩れ落ちる、いわば使い捨ての代物だ。それを技術的に作れば、前世で言うところのロボットの誕生かもしれない。確かに偉業かもしれないが、私は素直にこのお爺さんを誉めることはできなかった。
「ギルツさん。『何の』ゴーレムですか?」
私は散らばっている資料の中にトヤの絵があることに気がついていた。それはうら若き獣人の女の子の体……のパーツ絵である。
「ゴ、ゴーレムはゴーレムであって……それ以上でも以下でも」
「野望の試作として超大型殲滅魔工兵器を作ったと言ってましたよね。それも、その偉業なる魔工技師によるゴーレム開発だったのでしょ? なのに、それは失敗とかではなく未完成のまま捨て置き、一世一代の本命とはどのようなものを作っていらっしゃったんでしょうか?」
私はトヤの描いた絵をヒラヒラと振りながらギルツに見せる。近くに控えていたサフィナとスフィアが
「さすが、メアリィ様、かっこいいです」「やっぱ、エリザベス様に似てます」と口々に言っていたがスフィアの台詞は聞かなかったことにしておこう。
「……師匠……この期に及んで何を隠している」
何かを誤魔化しているお爺さんに、フィフィは掴んでいた手に力を込めていった。ミシミシと何かいやな音が鳴っていくギルツの頭に、彼は青ざめ焦り出し、そしてついに観念した。
「……ねこみみぃぃぃ! 儂の理想の猫耳メイドのゴーレムが作りたかったんじゃあぁぁぁ!」
ギルツの自白が部屋に響き渡る。
こうして、この事件の発端となり、数々の陰謀を巻き込んだ魔族界最高にして、並ぶものなしと謳われた魔工技師ギルツの一世一代の野望が明るみに出るのであった。
活動報告でも書きましたが、コミカライズ第二話公開中です。クラウス卿、かっこええ~。後、お父様がどんどん顔芸化していってる、怒った顔、怖(笑)書籍ともどもよろしくお願いいたします。