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日系人の変身学校生活  作者: スラッシュ
第一部 ブラジルでの日常、あとバトル
6/8

撃退、だけど敗北



「ズル賢いガキ共めっ!?」

 銃を構えていたリーダー格の男の腕に、中型犬に変身して回り込んでいたマテウスが噛み付き、銃を落とさせる。

「っ~!! 舐めるな!!」

 その噛み付きに苦痛の表情を浮べたが、変身しながら鬱陶しそうに腕に振る。その一撃でマテウスはあっさり吹き飛ばされる。

「ッAi(痛い)!!」

「マテウス!!」

 熊の大きさは2mを超えている上に、その一撃でマテウスが拳銃と共に壁まで吹き飛んだ。

 壁に激突したマテウスは気絶したらしい。


「参ったな、こりゃ……」

 こいつは間違いなく、ミュータント。

 明らかに通常の熊の身長を超えている上に、腕が異常に太い。明らかにこいつは怪物クラス。

 変身者の中には元となった動物を簡単に凌駕するような力を持つタイプがいる。

それが突然変異、ミュータントと言われるカテゴリーだ。

 その代わり、通常の変身より継続時間が短いのが欠点だ。

「時間まで逃げ切ればいいが……」

 そう呟きながら周りを見渡す。

 イヤホンを回収なんてさせないだろうし、ゴリラ達のイヤホンは俺の体当たりでダメになっているだろう。イヤホンを着けているのは俺達3人だけだ。

 既にルカスはクラスメイトの救助を始めているし、それ以前にリスでは怪物相手に力不足。

 マテウスは更衣室への階段付近で絶賛気絶中。


 この予想外の事態に、先程より強い恐怖を感じるが、それでも前に進む。

「俺しかいないなら、俺が行くしかないよなっ!!」

 俺は走り出し、飛び蹴りを放つ。

「変身っ!!」

 変身し、足は尻尾に変わり敵の腕に命中する。

 だけど、この手応えは……!

「なんだ? その程度か?」

 コイツの毛皮が異常に厚い!

 ダメージなんて全く通ってない!

「ならこれで、どうだぁ!!」

 俺は急いで距離を取り、今度は体当たりし、シャチに変身する寸前でジャンプ。

 上からのしかかれば……!?

 「やはり餓鬼だな」

 5tの攻撃が止められた!?

 俺の体は奴の太い片手で止められた。

「Morre(死ね)」

 熊はもう一方の腕を突き出し、鋭い爪が俺の体目掛けて飛んでくる。

 受け止められた今の状態で、それを避ける方法は無い。

 それでも変身を解除し人間になって爪が当たる可能性を低くしようとするが、それでも重症は免れない!


「うお!?」

 そう思っていた俺は地面に落とされた。

「っは!!」

 横から奴を吹き飛ばしたのは白い色のイルカ、ってまさか!?

「水歌!?」

「清黒、しっかり」

 いつの間に忍び込んでいた水歌はマテウスの使っていたイヤホンを着けている。

 否、それよりも!

「早く変身・・しろ!!」

「大丈夫、あと5分は行ける」

「そう言う問題かよ!?」

 俺達が話していると熊は既に起き上がっている。

「っち! 良いからさっさと人間に戻っとけ!」

「分かった」

 水歌が頷くのを見てから俺は熊を睨みつける。

 水歌の存在が奴の動きを止めている様で、奴は動く素振りを見せない。

 暫くお互い睨み合う俺達だが、パトカーのサイレンの音が聞こえて熊は頭を掻いてから窓までジャンプする。

 「餓鬼。今の内に強くなっとけ。そうすれば、お前はワールドイーターの幹部クラスにはなれるぞ?」

 ポルトガル語で何言ってるか分かんないので、通り会えず挑発だけはしておく。

 「次会ったら、コートの材料にしてやるよ!(Na proxima vez, você vai virar materia de jaqueta!)」

 「やってみろよ!(Tenta!)」

 そして奴は窓を壊して、天井伝いに何処かに向かった。

 体育館の出入り口から教師達がやって来るのが見えた。

 「何とかなったな……」

 俺はそこで、意識を失った。


そろそろストックが無くなりそうです。しかし、続きを書く時間が……

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