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スカベンジャー・ハンター  作者: 神楽坂斎樹
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00−01 事態把握の為には…

優柔不断な性格なんで、何度か改稿しますが。

より良い作品にしていこうと思いますので、なにとぞよしなに。

*エルトラ暦778年、紫苑月(フィフ・ディア)の21日。

 


 今日から日記をつけようと思う。



 日付けは、今居るとこの床に転がってた電波時計に表示されてたのでそのまま書いてみた。

 僕が寝ていたのはどうも…1000年以上経ってたみたい(コレもそこら辺に転がってた史料読み漁って解った事…『うそーん…』って変な声でちゃったし、思わず)

 寝ちゃってた理由は今書くとつまんないから、いずれ書く事にしようと思う。

 

 まあ、そう言う訳で僕自身…以前の家族友人知人は誰一人として、存在していない。

 

 ていうか、僕家族居ないんだけどね☆(いやー、一回書いてみたかったんだよ、これ…虚しくなるな、でも)

 日記だって、あの目がひんむいちゃうくらいの驚きを誰にもぶつけられないんでの苦肉の策だし…

 

 もうどうしたらいいんだろう?って何度言った事か… 


「あー、段々書いてるとコレ日記じゃなくなるね…」

 書いている文字通り心境が虚しさに染まっていきそうになったので、一旦ペンを止めた。

 まだほんの障り程度しか記してないが、久しく“書く"ことをしていなかったので肩が凝り始めてきたのだ。

 コキコキと軽い音を立てながら肩を回し、うーんと腕を伸ばす。

「…でも、とりあえずどうしようかな」


 今現在居る所は、超が十個以上ついてもおかしくないくらいの古い古い廃墟。(古いが多めについたのは、1000年前とそこまで変わらない造りだったのを記憶しているから)

 けれど、建物自体の損傷や備品の保管は思いの外良好で。日記を記している手帳も新品とは言えないが、黄ばみがまだ薄い方。つまり、ここは現在も使用されている証拠。

 考え込むように顎に手を添えるが良い策が思いつく訳もなく。

「お腹空いたし…いい加減ここ出ようかな」

「うんうん、そうしてもらえると俺も助かるねぇー」

「あ、すいません、勝手に上がりこ…」

 

 

 ごきゅっ、と音が出てしまったかもしれない。いや、それよりも、今誰と会話していたか。



 ゆっくりと後ろに振り返ると、いつからかわからないが『男』が一人居た。

 元は真っ白だったかもしれないけれど、かろうじて白衣とわかる上着。カナリア色のシャツにゆるく臙脂(えんじ)のネクタイ、焦げ茶のズボンに不似合いな素足の下駄。

 中肉中背っぽいが、だぼっとしたサイズの服装なのでわかりにくい。年齢も無精髭で不詳に等しい。にやにやとしている口角に対して不釣り合いな程笑ってない細目。持っている懐中電灯で思いっきりこちらを照らしていた。

「おたくどちら? ここ(、、)には俺以外極限られた奴しか入れないはずだけど?」

 飄々(ひょうひょう)とした口調でも、声色は瞳とよろしく怒気が含まれている。首筋から冷たい汗が流れる感じがした。

「い、いや…え……っとぉー」

「おっかしいねー。消失結壁(イレイズ・フェンス)で普段視えなくしてるのに…見た感じ、装備も特にしてないようだし……ナニモノ?」


 非常事態発生。

 この廃墟らしき場所は、何か重要な施設の模様。


「————ご、ごめんなさいぃぃぃいいいいいいぃぃぃ!!!」

 もう逃げるしかないと、反射的に立ち上がって後ろにあった窓めがけて走り出した。

「謝罪無用。ほい、影踏み(シャウフト)!」

 男の足下にまで伸びていた影を踏みつつ、一言。

 


 ゴテンッ!! ズベシャァァアアアァァ!!!



「いったたたたぁぁああああぁぁ!!!??」

「だーれも逃がすなんて言ってないでしょ? 不法侵入者なんだから、ひとまず連行れんこうっと」

「すいません!! もう逃げませんから!! コレ解いてください!!!」

「あ、そう? ま、引きずるのもしんどいし、そうしてくれると助かるわ」

 地面にべったりと張り付いたまま動けなかったが、男が影から足を離すとわかると吸い寄せられていたような感覚が一瞬にして消えた。

 ほっ、と力が抜けたが、安心してはいけない。今は危険の渦中。油断は禁物だった。

「んで、おたくどちら?」

「…僕は…」

 果たして信じてもらえるかわからないが、正直に話さないともっと酷い目に遭いそうだ。

 一回言葉を濁したが、ひと呼吸付けて顔を上げた。


「僕は、イバラキと言います。あ、あの…信じてはくれないと思いますが、今から約1000年前の者です」


 言った。

 言ってしまった。

 もう後に引き返せない…っと、なにか(けしか)けてくるのではと覚悟を決めていた、が。

「ふぅん…俺はトーマ」

 声色が穏やかになった。

 目からも警戒心が薄れていき、代わりに好奇の色に。

 『信じてくれたのか?』と思ったが、次の言葉でまたどん底に突き落とされる事となった。



「面白い奴来たぁー!!! あ、先に飯用意するから、話は食べながらにすっか?」



 ひゃっほーい、と勢い良く飛び上がりながら、男―トーマはイバラキの腕を掴んで来た方向へと引き返した。

 抵抗出来なかったイバラキは、惚けた顔になったがすぐに青ざめる。

 (何かもの凄いとこで目が覚めちゃったかも………!!!??) 

 だが、空腹を満たしてくれるようなので、そこは正直有り難かった。

 前者の言葉にはもうどうにでもなれと思いながら、イバラキは起きて最初に出会った、後に『癒博士(ドクター)』とも呼ばれる男に連れて行かれたのであった。


 * * * * * *



「あのときすぐ逃げてれば良かった…」

「なーに、手ぇ止めてんのさ。もうちょい強く鍋かき回して」

 連れて来られた台所で何故か料理をする事になってしまったのである。



 



やーっと、書き始められました!!

やっぱりこの話が一番書きやすいですw

 

出来るだけ毎日更新心がけますので、よろしくお願いします!!

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