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ガール・ミーツ・ボーイ

 黒一色に塗りつぶされた空にそびえる巨大な塔のような化け物。

「なに・・・・・・・あれ・・・・・・・・」

 それを呆然と眺める少女の視線の先には黒い外套を身に纏った青年が一人。青年は手に持った長剣を構え化け物に向かい走り出す。

「待って・・・・・・・・・・駄目だよ!」

 咄嗟に青年に向かって叫ぶ、だが青年の耳に声は届かない。青年はさらに速度を上げて駆ける。

「駄目・・・・・・・駄目だよ!」

 塔のような化け物から無数の槍のような触手が青年を突き殺さんと迫る。それを青年は手にした長剣で斬って斬って斬り伏せる。やがて青年は無数の槍に囲まれその足が止まる。

「あ!・・・・・・・そんな・・・・・・・・」

 青年は助からない、もう駄目だそう少女は思った。しかし青年は獣のような咆哮をあげ触手で出来た檻を切り裂く。

「もう・・・・・・・もう止めて・・・・・・・」

 祈り虚しく青年は再び化け物に向かって駆ける。数を増した触手に時に薙がれ飛ばされながら長剣を構えひた走る。

「駄目・・・・・・止まってよ・・・・・」

 ついに青年は化け物の膝元まで辿り着く。獣のような咆哮をあげながら塔のように巨大な化け物を斬りつける。やがて化け物から今までに無い大量の触手が青年に向かって打ち出された。

「そ・・・・・・そんな」

 少女の目に涙が溢れた、青年のことは知らず、この世界が何なのかも知らずただただ涙が溢れた。やがて大量の槍の動きが止まった、潮のように退いて行く槍の後には長剣を杖にした今にも倒れんとする青年の姿があった。

その青年をめがけて再び無数の触手が撃ち出された

「止めてーーーーーーーー!」

 少女の世界は光に包まれた・・・・・・・・・

「ゆ・・・・・・・夢!?・・・・・だよね?」

少女がいたのはいつもと変わらないベットの上、朝の光。先ほどまでのものは夢であったのだろう、そう思い目をこすろうと目じりに指を当てた。

「あれ、涙出てる・・・・・・・」

 何故だろう、見たことも無い世界であったことも無い青年が戦い敗れたただそれだけの不思議な夢が少女にはいやに悲しかった。「あの夢は何だったのだろうか」寝起きの頭でぼんやりと考えてみるが答えは出るはずも無く時間だけが過ぎていった。

「これ以上考えても仕方ない」そう思い少女は起き上がり朝の支度を始めた、今日こそが運命を変える日だと知らずに・・・・・・・・・・・・・・・


 平和で平和で何も起こらないこの世界、帰るべき家があって迎えてくれる家族がいて、温かいご飯が出て。そんなふうに恵まれたこの世界。毎日毎日惰性で、習慣で学校に行って授業を受けて仲の良い友達とおしゃべりして、そうして帰りがけにすこし寄り道をしてそしてさよならまた明日するこの世界。

 とても平和でとても幸せで、でもちょっぴり退屈な世界。「少し何か変われば良い」そう思う自分がいて「何も変わらず生きていきたい」そう思う自分もいる。

そんな世界のそんな学校で私、天城ミウはうつらうつらとしています。

 「・・・・・・・・・・ここで4/3と7/8を掛けると分母は8×3で24、分子は4×7で28となりますこれを約分して・・・・・・・・」

先生の声が随分遠くに聞こえる、ストーブに熱せられた教室、だんだん意識が・・・・・・・・・・

「この問題は・・・・・出席番号1番の天城さんにやっていただきましょう」

「え!・・・・・・あ・・・・・・えっと・・・・・・・・その・・・・・・聞いてませんでした・・・・・・・」

「問題は2/7×4/9ですよ」

「あ、8/63です次からは気をつけてくださいね」

 クスクスと隣で笑い声が聞こえます、隣に目をやれば親友のユキコちゃんが笑っています

「笑わないでよユキコちゃん。居眠りする回数はユキコちゃんのほうが多いんだから」

「あら、2時間目から寝てるミウがよく言うわ」

「ひど~い!寝てるのが分かったんなら起こしてくれても良いのに!」

「嫌よ、だって私ミウの寝顔を見るのが趣味なんだもん」

「いやな趣味、ユキコちゃんなんて嫌い!」

「嫌いで結構、もうお菓子作っても呼んであげないんだから」

「そ~れ~は~困る~」

 こんなふうに私の一日は過ぎてゆきます。こんなふうにずっとずっと私の日常が続いていく・・・・・・・・今はまだこう思っていました。




アントラクト

 「ふいー、今回も変なところに巣を張ってやがったな畜生」

夕暮れの空の下、一人の青年が学生服にくっついた蜘蛛の巣やら埃やらを払いつつ薄暗い路地裏から這い出した。

「ったくよ、昨日から気配があったから昼から学校サボってまで探してやったってのにとんだ雑魚野郎だったぜ」

 青年はぶつぶつと呟きながらオレンジ色に染まった市内随一の商店街を青年は闊歩する。そのうちにふと薄汚い路地裏の前で立ち止まりポケットに手を突っ込み黒く丸い小さな宝石を取り出す。青年はじっとその宝石を睨む、すると宝石はぼうっと光り始めた。

「おっと、本日2発目だ」

青年は路地裏へと消えていった。




 「じゃあねユキコちゃんまた明日!」

「また明日」

 時刻は夕刻、ミウはユキコと別れて家路についているところだった。その日はなんともなしに早く帰りたかったので近道となる路地裏へ入った。

 「今晩のおかずは何だろう?」「明日はどんなことをしてユキコちゃんと遊ぼうか」そんなことを考えながら何度も使ってきた近道を歩む。もうすぐで路地裏の中ごろと言うところだろうか、彼女の世界は一変した・・・・・・・・


続く


どうもこんにちはたけひろです。

この小説前にも全く同じタイトルであるのですが・・・・・・・・設定とかちゃんとしなかったからかだんだん書くうちに破綻すると言う状況になってしまいましたので書き直すことにしました。

今回は後先考えて作っているので今までの奴よりは・・・・・・ましになると思いまする。

と言うわけでまた次回。

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