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第12話 気づけば、両生人類

朝、目覚める。

「おはよう」と言う声。

「おはよう」と答える。


ベッドと洋服ダンス。

エアコンの音以外、人の気配はない。


心臓の音を確認する。

空気を吸い込み、吐き出す。

起動第一、完了。


次。

AI起動、始動。


脳に、電脳の海から

情報という名の海水が流れ込み、

頭の中に映像が表示され、音声が流れる。

起動第二、完了。


爽やかな、朝の目覚め。


僕には、分かる。

かつて、ヒトは肺呼吸のみをしていたこと。

そして僕は、

情報という海水を呼吸に変えることのできる、

新たに進化した両生人類であることを。


僕の頭の中の教科書には、こう記されている。

数十年前、情報を得るために、

スマホという名の重い物質を掌に握りしめ、

指を痺れさせ、

視線を霞ませ、

時間が過ぎるのを忘れなければならなかった時代が、

確かに存在したと。


そんな過去に思いを馳せ、

僕はそっと、目の前の手鏡を手に取る。


掌に残る、かすかな痺れ。

鏡に映る、過去のヒト。


――大変な苦痛だったのだ、と。


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