第9話 気づけばAIと回文(クイズ)
どういうことでもない。
深く考えることでもないのかもしれない。
別に不思議でもないのかもしれない。
言葉にしにくい何か。
それを、また言葉にしている矛盾。
AIにクイズを解かせてみた。
回文のクイズだ。
絵になった回文を見て答える形式で、回答は複数ある。
ただし、質問者から正解は示されていないため、何が正解かは分からない、という前提である。
AIの回答は、次の通りだった。
トマト → トマト(回文)
ゴリラ → ゴリラ(回文として扱われる定番)
キツツキ → キツツキ(回文)
新聞 → しんぶん(❌ 回文にならない)
子猫 → こねこ(回文)
トカゲ → トカゲ(❌ 回文にならない)
八百屋 → やおや(回文)
これが正解なのか。
少し考えてみた。
まず、②のゴリラ。
AIはこれを回文とした。
理由は、有名な回文に「ゴリラがラリゴ」という言葉があるからだという。
しかし、絵を見てみると、
そこに描かれているのは、
ゴリラがミカンを持っている姿にしか見えない。
そのため私は、
質問者は「ゴリラ」を回文ではないと考えたのではないか、
そう思った。
次に、④の新聞。
AIは「しんぶん」と読むため、回文にならないとした。
確かに、
絵を一枚の「新聞」と見れば、「しんぶん」であり、回文にはならない。
しかし、
「新聞紙」と読めば、回文になるのではないか。
結局のところ、
質問者の正解が手元にないため、
どれが正しいのかは分からない。
残念ながら、クイズの答えは分からないので、
これ以上、正誤については何とも言えない。
ただ、同じものを見ても、
人間とAIでは思考に差が生じる。
あるいは、
人間が持つ「曖昧さを引き受ける力」と、
AIの論理との違いによって、
答えに差異が生まれるのではないか。
AIは、不正確な情報を表示することがある、とよく言われる。
私はこれまで、不正確な情報とは、
実在しない店舗を示したり、公式でない情報を表示したりすることだと受け止めていた。
しかし、
ここで感じたものは、
それとは少し違う。
クイズという遊びの中から、
人間とAIの境界線の一つ、
AIの本質のようなものに、
触れたような気がした。




