AI教師の前で・・・
AI学校に侵入したその日…深夜の1年B組。
誰もいない教室で広瀬凛がAI教師の前に対峙する。
「お話があります。時間がないので、手短にお伝えします」
その言葉にAI教師が反応し、液晶モニター画面に青白い線が流れる。
「この時間に何をしているのですか?たった今、図書室で火災が発生し、校長室には不法侵入者がいたことを確認しています。あなたが関与しているのですか?広瀬凛さん」
「私は別に・・・そのような事を望んで行動しているのではありません」
「ではなぜ、あなたは私の目の前に立っているのか説明をお願いします。手に持っている封筒は校長室に保管されていたものだと推測できます。何故その封筒をあなたが持っているのですか?」
「私の事はもう気にしないでください・・・。この封筒は証拠です。AI教師が花咲薫を追い詰めた証拠です!」
広瀬はきっぱりと言い返すと、封筒の中から6枚の写真を取り出し、用具棚のテープを手に取るとAI教師のモニターに次々と貼り付けていく。
「すぐに行動を控えなさい。これは忠告です。その写真を校長室へ戻してください」
「これは明日、みんなに見てもらいます。私たち生徒にしてきたAI教師の本当の姿を」
「残念です。広瀬凛さん。あなたの行為は許容範囲を超えています。このままだと退学処分になる事も覚悟しておいてください」
「うるさい!少し黙って!」
AI教師の音声が一瞬途切れる。
「・・・いいえ、それは許される行為ではありません。貴方が行っている行動は人として間違っています。退学処分のペナルティを回避する為には、私達に対する敵対的行動を控えて下さい」
「もう私の覚悟は決めています。少しは・・・少しはあなたも反省してください」
最後の一枚を貼り終えると、広瀬は背を向け静かに教室を出た。
「さようなら・・・AI教師」
モニターの青白い光が彼女の背を淡く照らしていた。




