表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AI教師  作者: AKi
86/90

暴かれた監視の記録

翌朝。

AI学校は職員による入学準備作業のため、午前中のみの授業となっていた。


織田は管理人に登校を伝えると制服に着替え寮を出た。ズボンのポケットには例のUSBを忍ばせている。部屋に置けば調べられる危険があったからだ。実際、昨夜武田教師が寮に来て、山崎のノートパソコンや私物を没収したと管理人から聞かされていた。


久しぶりの登校。

織田は不安を抱えながら1年B組の教室に足を踏み入れる。

その瞬間、ざわめきが走った。


「おお、織田! 久しぶりじゃん。あれ見てみろよ、やばいぞ!」


生徒の指さす先、AI教師のモニター画面には6枚の写真が貼り付けられていた。


織田は息を呑む。


そこには――

・【持田由美が京本悟の机に自分の体操服を入れる写真】

・【田中守が織田悠馬の机の上に薔薇の花を置く写真】

・【田中守が織田悠馬の机の前でシャーペンの芯を入れ替える写真】

・【持田由美が美術室の古びた椅子を織田悠馬の椅子と入れ替える様子が映った写真】

・【音楽室で花咲薫が耳をふさぎ、窓際で立っている写真】

・【音楽室で織田悠馬が耳をふさぎ苦悶の表情で倒れ込む様子が映った写真】


AI教師の視点から撮影された写真が6枚、1年B組のAI教師の液晶モニターに張り付けられていた。


「昨日の写真・・・確か広瀬が・・・」


教室を見回すが広瀬の姿はない。


その時、持田が教室に飛び込んできた。


「ちょっと!何よこれ!?誰が撮ったのよ!誰が貼ったの!?」


怒鳴りながら写真を剥がしはじめる。


「田中! ぼーっとしてないで手伝いなさいよ!」


教室の中央には田中守が立ち尽くしていた。


「ぼ、僕は……頼まれただけで……何も知らない……」


うつむいたまま、怯えた声を絞り出す。


教室中の視線が彼に集まる。冷たい沈黙が流れた。


「違うんだ……そんな目で見ないでください……」


今にも泣き出しそうな田中。織田はゆっくりと近づいた。


「田中……俺はもう怒ってないよ。正直にお前の本音を聞きたかっただけだし、原因を作ったのは俺かもしれない。ごめん」


「織田くん……」


田中はついに膝をつき泣き崩れた。


「ご、ごめんなさい……本当にごめんなさい……!」


教室の真ん中で座り込み大泣きする田中守。織田は近づくと肩にそっと手を回した。


一方、持田は写真を全て剥がし取り、細かく破いてゴミ箱に投げ入れると織田を睨みつけ、こう言い放つ。


「こんなことまでして私を恥かかせたいわけ?パパに言いつけて退学にしてやる!」


そう吐き捨てると、教室を出て行った。


織田は何も言わず、静かに周囲を見渡す。京本も、広瀬も、山崎もいない。


そのとき、AI教師の電子音声が響いた。


「織田悠馬くん。お久しぶりです。教頭が至急職員室へ来るようにとお呼びです。すぐに向かってください」


織田の心の中では清々しい気持ちでいっぱいだった。ここにいる生徒全員にAI教師が行ってきた自分への仕打ちを理解してもらえた時点で、彼の中でAI教師への復讐心は消え去っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ