消される前のデータ
深夜2時。寮へ着くと3人は急いで山崎の部屋へと入る。京本のことが気にかかったが、今はそれどころではない。テーブルの上にノートパソコンを置くとUSBを差し込み、校長室から抜き取ったデータを確認する。
「うわ……まさか、こんな……」
山崎が絶句した。織田が問いかけようとした瞬間、見知らぬ声とドアを叩く音が響く。
「開けろ。中にいるのは分かっている。抵抗すれば強制的に入る!」
「これを持って、広瀬さんと一緒にタンスの中に隠れて。もし僕が連れていかれても、この中のデータを守って」
山崎は咄嗟にUSBを抜き織田に渡した。
「山崎くん、開けてください。警察の方が来ています」
管理人の声がした。ドアを開けると警官が二人腕を組んで立っている。
「学校関係者から不法侵入の通報があったんだど、ちょっと警察署まで来てもらえるかい」
そう言って、山崎を連行していった。
しばらくして、織田と広瀬はタンスから出る。
「山崎……逮捕されるのか?」
「さぁ……学校と警察が話し合うでしょうね」
織田は無言でうなずき、急いで自室に戻るとUSBをパソコンに差し込む。監視されているのは分かっていた。それでも見ずにはいられなかった。だが、再びノックの音がする。
「開けなさい、織田くん」
慌ててUSBを抜き、ポケットに隠す。
「どうかしましたか?」
「武田教師から連絡があった。君を管理室で保護するようにと」
管理人が無表情で告げる。
返答する間もなく腕を掴まれ、織田は部屋を出された。薄暗い管理室に閉じ込められ「朝までここにいなさい」とだけ言われる。布団の敷かれた小部屋。テレビもパソコンもない。織田は疲れた身体を横にするとやがて眠りに落ちた。




