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AI教師  作者: AKi
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邪魔者排除完了

翌朝。空は雲一つない快晴だった。織田悠馬は寝不足で頭が重く、昨夜の出来事が脳裏から離れない。それでも意を決して学校へと向かう。


恐る恐る教室に入ると、AI教師は何事もなかったかのように生徒達へ挨拶の声を掛けていた。昨夜の異常な振る舞いが嘘のようだ。織田は不信感を抱えながらも、何も言わず授業を受け続ける。


昼休み、図書館にいつもの男子4人が集まる。


「昨日の雷、凄かったよな。寮まで地響きがしてビビったぜ」


京本が笑い交じりに言うと、山崎が続けた。


「どうやら学校に落ちたらしいね。煙が上がっていたって聞いたよ」


「そういえば織田くん、昨日どうしてたの?食堂で見かけなかったけど」


田中が顔を覗き込むようにして尋ねる。


「・・・音楽室にいた。でも、雷なんて全然聞こえなかったよ」


「何かあったのかい?顔色が悪いけど」


「俺、閉じ込められてたんだよ。AI教師に。急に大音量の音楽を流されて、気を失いそうになった」


「マジかよ。不具合か何かだったのか?」


京本が驚いたように聞く。


「興味深い話だね。それで、どうやって抜け出したの?」


「・・・たぶん雷が音楽室に落ちてAI教師がショートしたんだと思う。その瞬間に音が止まって、隙を見て逃げ出したんだ」


「そんな話、にわかには信じがたいけど・・・」田中が呟くように言うと、織田が鋭い視線を向ける。その目に押されるようにして、田中は居心地が悪くなったのか、急に立ち上がると「僕、もう教室に戻るよ」と言って足早に図書館を後にする。


「おい、まだ田中のこと疑ってるのかよ。昨日の朝、あいつちゃんと寮にいただろ。薔薇の花の件だって無実じゃん」


「まだ十分怪しいよ。薔薇の花は持田が持ち込んだものらしいし、床に撒かれたオイルや椅子が入れ替えられていた件も、あいつが共犯だった可能性は捨てきれない」


「持田由美か・・・。確かに怪しいね。あの人この学校の創業者の実の娘さんだし、AI教師と共謀していてもおかしくないね」


山崎が静かに相槌を打つ。


「だろ?絶対あいつら怪しいって」


昼休み終了のチャイムが鳴り響く。三人は会話を切り上げ、教室へ戻ることにした。1年B組の教室に入ると、田中守がAI教師と何やら会話をしており、織田はその様子を横目でちらりと見たが、気にしないふりをして自分の席へ着く。


授業はいつも通りに淡々と進む。ようやく5時間目が終わると、織田は小さく息をつく。今日は何も不吉な事が起きなかった。それだけで十分だった。


「それでは本日の授業はこれで終了です。みなさん、気をつけて帰宅してください」


生徒たちは各々帰り支度を始める。手袋をはめる生徒や友人と楽しげに会話する生徒、教室は次第に日常の喧騒に包まれる。


「織田悠馬くんは、放課後、残ってください」


AI教師の声が冷たく響き、織田は耳を疑った。その場の空気が一瞬にして凍りつき織田は何も答えられず、唖然として立ち尽くす。次第に血の気が引いていき、顔が真っ青になり、昨日の記憶がフラッシュバックして足が震える。


『なんで俺なんだ・・・?今度は何をするつもりなんだ?』


思考が追いつかない。だが、身体は本能的に反応した。織田は席を蹴るようにして立ち上がると、一目散に教室を飛び出した。背後でざわめくクラスメートの声も、AI教師の冷静な指示も耳に入らない。ただ無我夢中で走った。


校舎の廊下を駆け抜け寮へと向かう。息を切らしながら自分の部屋に飛び込むと、そのまま鍵をかけて崩れるように床に座り込んだ。

小刻みに震えながらパソコンを見つめるが、起動する気力は湧かず、それどころか画面を見ることさえ恐ろしいと感じる。


織田の心は完全にAI教師によって蝕まれていた。彼はその日から部屋に閉じこもり、翌日から学校を休むようになる。


その日の夜――


誰もいない1年B組の教室でAI教師の液晶画面がふっと光を放つ。液晶に映るのは独特な文字の羅列とシステムの動作ログ。それが消えた後、画面に淡々と白い文字が浮かび上がり、このように表示された。


「邪魔者排除完了」


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