にぎやかなAI教師
五時限目の授業が始まった。教室には静かな緊張感が漂っていたが、それを打ち破るようにAI教師Aが元気よく声を響かせた。
「どひゃー!時間通りに全員席についているじゃないですか。偉いですねぇ!そんなに私の授業に魅力を感じているんですか?いやぁ、ありがたい!教えがいがあるってこういうことなんですね!」
軽妙なセリフに教室の雰囲気は一瞬で和み、A組の生徒たちはクスクスと笑い声を交わす。しかし、織田悠馬はその様子を呆然と眺めていた。自分のクラスのAI教師とのあまりの違いに驚きを隠せなかったのだ。
A組のAI教師は一呼吸おいて、ふざけた調子をそのままに授業を続ける。
「それでは出席番号0番、返事をお願いします。はい、私ですね!全員出席していますねぇ。素晴らしい!」
教室内が再び笑いに包まれる中、A組のAI教師はテンポよく本題へと進めた。
「では、五時限目は数学の授業です。教科書の183ページを開いてください。今日のテーマは関数の応用ですよ~!」
その後も授業はスムーズかつ軽快に進んでいった。適度にユーモアを交えながらも、内容は的確で分かりやすい。生徒たちは真剣にノートを取りながらも、時折AI教師の軽口に笑みを浮かべる。
『こんな教師がいたら、授業の印象も全然変わるだろうな……』
織田は心の中で呟く。
授業が終わると、織田は荷物をまとめ山崎と一緒に校門を出た。夕焼けが空を染める中、二人は並んで寮までの道を歩く。
「A組のAIすごく明るかったね。あれなら授業も楽しくなるよ」
寮へ向かう帰り道、山崎がふと思い出したように口を開く。
「だよなぁ…。なんでB組だけあんな冷たいタイプなんだよ」
織田は苦笑しつつも、胸の奥に小さな希望のようなものが芽生えていた。新しいAI教師が来ればもしかしたら自分のクラスも変わるかもしれない。
寮の前に着く頃には夕空はすっかり暗くなり始めていた。
「じゃ、また明日な」
「うん。また明日」
二人は軽く手を振りそれぞれの部屋へと戻っていく。織田の胸の中には、ホッとするようなあたたかい気持ちが残っていた。




