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AI教師  作者: AKi
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一週間だけのA組授業

B組の生徒たちは織田悠馬を先頭に机と椅子を自分たちで運び、1年A組の教室で授業を受けることになった。B組から10人が移動してきたことで、A組の生徒たちは顔を見合わせ、どこか落ち着かない様子を見せている。


それもそのはず、通常は1クラス20人のところに、突如として10人もの生徒が追加されたことで、教室の広さは急激に狭くなり、ぎゅうぎゅう詰めのように感じられた。


B組の生徒たちは机と椅子を手に運び最後尾の席にそれぞれ着席。教壇を見上げると、そこにはA組専用のAI教師が設置されていた。見た目はB組のAI教師とほぼ同じだが、よく見るとモニターの額縁が赤色をしており、わずかながらデザインが異なっている事に気付く。


「おっはようございます。本日から1週間ほど1年B組の一部生徒が1年A組の教室で授業を受けることになりました。皆さん、仲良くしてくださいね」


AI教師が明るい男性の声で話し始める。その声にはB組のAI教師とはまた違った親しみやすい温かさが感じられた。


「やっぱりクラスによってAIの性格とかタイプも違うみたいだな」


織田は小さく呟く。


「プログラムで設定されてるんだと思うよ。どのタイプのAIが受け持つクラスだと成績が上がるか、実験も兼ねているのかもしれない」


席順には特に決まりはなく、山崎は織田の隣に机を置く。


AI教師はさらに続けた。


「1週間と短い間ですが、せっかくですから自己紹介をしてもらいましょうか。まずは左端のあなたからお願いします」


織田は指名され、慌てて椅子から立ち上がると、少しぎこちない様子で自己紹介を始めた。


「お、俺ですか?あ、はい。織田悠馬です。血液型はA型で、野球と卵焼きが大好きです」


左端に席を取っていた織田が最初に指名されたが、B組の生徒たちの中から小声で「血液型まで言う必要あるのか?」と囁やくような声が聞こえる。その声は織田の耳にも届いていたが、彼は気にする様子もなく、淡々と自己紹介を続けた。


「それでは次、隣りに座っている生徒くんお願いします」


「あー、えーっと、まぁ、1週間ほどお世話になります。よろしくお願いします」


その後、1人ずつ順番に軽い挨拶程度の自己紹介が続き、間もなくして全員が終わった。


「それでは、授業を始めますよ。公民の教科書128ページを開いてください。分かりやすく丁寧に教えていきますね。B組の生徒諸君も、遠慮せず分からないことがあれば質問してください」


織田はその声に少し驚いたように呟く。


「なんか、雰囲気いいなぁ」


「そうだね。B組とは教え方や授業の進め方、生徒との距離の取り方もまるで違うようだね」


「それ訊くと、なんか試されてるみたいで嫌かもな」


「ん?そうかい?AIは効率よくアルゴリズムを習得するために、個人の情報を収集することが仕事だから、そこを否定したら何も始まらないよ」


「そっかぁ・・・そういう時代なのかぁ」


AI教師は明るい声で授業を進めていく中、織田と山崎の間にわずかな沈黙が流れた。

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