表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AI教師  作者: AKi
56/90

クラス替えの発表

翌日、AI学校の1年B組の教室は異様な空気に包まれていた。他のクラスの生徒まで集まり教室はざわついている。机や椅子は乱れ、落ち着かない雰囲気の中で、最も目を引いたのは教室の一角にあるAI教師だった。モニターは粉々に砕け散り、無残にも破壊されている。生徒たちが何度呼びかけても反応はない。


京本と田中が教室に入ってきた。二人は目の前の異常事態に驚き、足を止めた。広瀬は腕を組んでため息をつきながら、頭を左右に振っている。花咲は両手で口を押さえ、驚きのあまり今にも泣き出しそうだ。


後ろの方で生徒全員をじっと観察していた持田が、ステップを踏むようにして京本に近づいてきた。


「まさかとは思いますけど、あなたがやったのではないですよね?」


その声に京本は少し眉をひそめると、軽く答えた。


「そんなわけないだろ。俺は昨日ずっと寮にいた。何もやってねぇよ」


田中もすかさず補足する。


「昨日は学校から帰った後、校舎の出入り口が閉鎖される時間まで二人でいたから、嘘じゃないよ」


持田は疑念の目を向けながら、冷ややかに言った。


「あら?どうして昨日の出来事だと知っているの?今朝、学校に侵入してこのようなことが起きたかもしれないじゃない」


その言葉に京本と持田が一瞬、睨み合う。しかし、すぐにその緊張感が切り裂かれるように、山崎が割って入った。


「二人はただの一般論を言っただけだと思う。つまり、何も知らないから昨日のことだと素直に答えただけだろう」


その言葉が教室に響き、1年B組の生徒たちがざわざわと騒ぎ始める。ちょうどその時、遅れて織田が教室に入ってきた。


「おはよう。うわ、なんだこれ。ヤバいな」


彼の大きな声が教室を支配すると、教室にいた生徒たちの視線が一斉に織田に集まる。


「な、なに?どうかした?」


織田は驚いた様子でそう言ったが、京本はすぐに口を開いた。


「お前・・・」


「なんだよ?俺なんかした?」


織田は少し困惑した表情を見せるが、京本は問いを続ける。


「体調は戻ったのか?昨日食堂にも顔を出さなかっただろう」


「昨夜心配で部屋を尋ねたんだけど、鍵が閉まってて反応もなかったから心配したんだよ」


田中も心配そうに声をかける。


「昨日はどこにいたんだい?」


山崎が厳しく尋ねた。


織田はしばらく黙った後、何事もなかったかのように答えた。


「俺は…昨日部屋にずっといた。体調崩して寝込んでたんだよな。二人とも部屋の前まで来てくれていたのか、気付かなくてごめん。心配してくれてありがとうな」


彼は犯行を疑われまいと、妙に明るい調子で答えるもその顔には、どこか浮ついた表情があった。


このタイミングで武田教師が教室に入ってくる。


「お前ら、席に着け。これから今後の授業について説明をする」


武田教師の威圧的な声に、生徒たちは慌てて席に着き、他のクラスの生徒たちもそれぞれ自分の教室へと戻っていく。


「昨夜、学校に何者かが侵入し、B組のAI教師がトンカチかハンマーのようなもので破壊された。犯人はまだ捕まっていないが、心当たりがある生徒はいつでも相談に来るように」


その言葉に生徒たちの視線が一斉に集まる中、織田は内心びくびくしていた。しかし、表情には一切出さず、必死に無表情を貫く。


「今後の授業についてだが、B組の生徒は修理が終わるまで、A組とC組の教室でそれぞれ別れて授業を受けてもらう。分かったな?」


「修理というのはAI教師のことですか?おおよそどれくらいで修理が終わるんですか?」


山崎が手を挙げて質問した。


武田教師は少し間を置いて答える。


「AI教師の修理はおおよそ一週間で終わるそうだ。ただし、修理と言っても完全に新しい物と交換するらしいがな」


「今回の出来事、警察には通報したのでしょうか?」


広瀬がすかさず手を挙げ、真剣な表情で質問した。


正義感の強い広瀬が問うと、武田教師は少し口を尖らせながら答える。


「いや、まだだ。これから学校側で会議を行う。指示があるまで勝手な行動はするなよ」


声を張り上げる武田教師に生徒たちは一斉に返事をし、A組とC組へ移動していった。


「新しいAI教師か。やったぜ」


教室を出る際に京本がぽつりと呟く。


「静かにしなよ。また疑われちゃうよ」


「誰がやったかは知らないけど、これでAIのデータもチャラになるな」


京本と田中はC組へのクラス替えが決まった。


「とんでもないことになったな」


織田は少し疲れた様子で呟く。


「どうやらAI教師本体のデータまでもが破壊されたみたいだね。新しいAIは少なからず旧型よりもアップデートしているだろうから期待したいけど・・・」


山崎は冷静に答える。


「お前の思考は本当に変わってるよな」


織田と山崎はA組へ移動することに。


「入学して一年の間に立て続けに問題が続出してるわね」


広瀬は少し口を尖らせる。


「あら、その言葉、私への当てつけかしら?」


持田が少し挑戦的に言い返す。


「当事者も近くにいたわね。別に当てつけてるつもりはないわよ」


「言い争いはやめてよ、二人共。皆で仲良く力を合わせて、素敵な学園生活にしていきましょう」


花咲が穏やかな口調で二人の間に入る。


広瀬、持田、そして花咲は、C組へのクラス替えが決まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ