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AI教師  作者: AKi
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ニュータイプのAI教師が待つ自習室

食事を終えて食堂を出ると、まだ12時まで時間があった。

織田たちは5分前に自習室に集合する約束を交わし、一旦それぞれの部屋に戻ることに。


織田が自分の部屋へ向かおうと廊下を歩いていると、後ろから山崎の声が聞こえた。


「ちょっといいかい?」


振り返ると、山崎が真剣な表情で立っていた。


「何?」


織田が軽く問い返すと、山崎は少し声を潜めて言った。


「広瀬さん、様子が変だったね」


「そうか? 特に変わったところなんて気づかなかったけど」


「いや、京本くんに対して自分が犯人じゃないことを自信満々に説明してたでしょ。あれ、もしかすると本当の犯人を知ってるんじゃないかな」


「マジかよ」織田は驚いた顔を見せたが、すぐに眉を寄せて続ける。「広瀬が犯人じゃないとしても、そもそも目的が謎だよな。そんな嫌がらせしてまで京本を追い詰める理由があるのか?」


「世の中にはいろんな考えの人がいるからね。織田くんも足元をすくわれないように、気をつけたほうがいいよ」


「お、おう。そうだな」


織田は何となく引っかかるものを感じつつも、自分の部屋へと戻る。


部屋に入ると、まず掲示板を確認する。新しいコメントが投稿されていないか、ついチェックする癖がついているのだ。その後、夏休みの課題のことを思い出す。AI教師から提示された指示が脳裏に蘇った。


「テーマを見つけて分析するんだっけか。何にしようかなぁ」


独り言を呟きながら織田はパソコン画面を見つめた。マウスを動かして画面を切り替えるが、考えはまとまらない。気づけば時間がどんどん過ぎていく。


ふと時計に目をやると、針は11時45分を指していた。


「やばっ!」


織田は慌てて立ち上がり、急いで歯を磨いた。そして鞄を掴み、急ぎ足で部屋を出る。


11時55分、織田たちは自習室に集合。

横長の机には二十脚の椅子が並び、席は自由に選べるようになっている。自然と男子と女子は分かれて座り、互いにほどよい距離を保っていた。


自習室の正面には大型の液晶モニターが設置されている。それはAI教師専用の端末で、生徒たちが室内に入った瞬間、自動的に電源が入った。


画面に一本の光の線が走り、次の瞬間、明るい光が広がる。同時に快活な音声が室内に響き渡った。


「おっはようございまーす!夏休みに自習をする生徒たち、なんと素晴らしいことでしょうか。私はあなたたちの向上心に感心しています」


「あっ……おはようございます。今日からよろしくお願いします」


突然の明るさに織田は目を丸くした。


少し気圧されながらも、挨拶は自然と口から出ていた。隣の京本の肘を軽く突き、視線でアイコンタクトを送る。


「なぁ、俺たちのクラスの教師と全然違うじゃないかよ」


「たいして変わんねぇだろ。同じAIが喋ってるんだし」


京本はあくびをかみ殺しながら答えた。


「いや、これは明らかにニュータイプのAI教師だね。自習室のAIは生徒の成績管理をする必要もない。責任を負わなくていい分、余裕があるんだろうね」


山崎が会話に加わる。モニターに目を向けたまま分析を始めた。


「なるほどね。さすが山崎くん、鋭いなぁ」


田中が感心したように頷く。


その間もAI教師は流れるように指示を出していた。


「事前に申請している生徒は6人ですね。各自、デスクにあるパソコンで指紋認証を行い、その後、学生手帳に記載されている学生番号を入力してください」


織田たちは言われた通りに手続きを進め、マウスを操作して指紋認証を終えると、AI教師の声が続く。


「認証が済みましたね。さぁ、自習授業を始めましょう!」


その声はどこまでも明るく、まるで生徒たちを応援しているかのようだった。


授業が始まると自習室の雰囲気は和やかで心地よいものに変わる。織田はふと感じた。


『こんな楽しい気持ちになるなんて、この学校に入学して初めてかもしれない』


授業を「楽しい」と思えた瞬間、少し驚いていた。


その後も寮での生活と授業が続いていく。AI教師の授業は頼もしく、ニュータイプのAI教師だからだろうか、生徒たちは特にわだかまりを感じることなく、自然に授業へ向き合っていた。織田もその一人だ。京本に至っては過去の反省から丁寧で礼儀正しい態度を貫いていた。

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