AIに従う生徒たち
7月になると、生徒達も学校生活に慣れ始め、授業に集中する生徒達が増えていった。AI教師とのやり取りもスムーズになり、人間の教師がいなくても授業が成立する――そんな新しい時代の流れを、生徒たちは自然と感じ取っていた。
一方、寮内の自習室で授業を受けることになった京本は、驚くほど真面目に授業を受けていた。時折、体育の武田教師が様子を見に来ていたが、問題行為は一つもなく、京本が本気で反省していることが態度からも伝わってきた。
7月の終わりが近づいたある放課後、教室にAI教師の声が響く。
「夏休みがもうすぐ始まります。この期間中に、自分自身と向き合い、将来の目標や夢についてじっくり考えてください。その内容を、他者への配慮や社会的な視点を大切にしながら作文にまとめてきてください」
教室内がざわめくと、次に生徒たちは一斉にメモを取り始めた。AI教師の言葉を一語一句逃すまいと、必死な表情でノートにペンを走らせる。
その中で広瀬が手を挙げ毅然とした声で言った。
「はい、分かりました。この夏休みの間に特定のテーマについて研究を行い、分析を重ねた上で満足いただけるような作文を発表したいと思います」
教室内に響く拍手。他の生徒たちも広瀬の意識の高さに賛同の意を示している。
最近ではAI教師に気に入られようとする発言や行動が目立つ生徒が増えていた。生徒たちは評価基準を敏感に察知し、それに適応することを学んでいたのだ。
「生徒たちの発表を楽しみにしています。未知の世界が広がる学びの旅を、どうか心から楽しんでください」
AI教師の1学期最後の言葉が教室中に響き渡る。




