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AI教師  作者: AKi
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AI学校の音楽室

翌日、水曜日。この日は音楽の授業があり、生徒たちは初めてAI学校の二階にある音楽室へ移動する。


音楽室にも他の教室と同じように最新技術が備わり、正面にはAI教師専用の大きな液晶モニターが据えられ、天井まで届く分厚い窓と音響を高める壁の装飾が、部屋に穏やかな響きを生んでいた。


「思ったより広いな」


「音がよく響くように設計されてるらしいよ」


織田が目を丸くして言うと、田中が隣で頷いた。


「おい、見ろよ。窓もでかいぞ」


京本が窓に近づく。そこからは校庭の桜が見え、花びらが風に揺れる様子が広く一望できた。


生徒たちはそれぞれの席に着き、机の上には教室と同様に専用のパソコンが整然と並んでいる。起動すると、生徒手帳の裏に記載された認証番号を入力し、個人情報がシステムに紐づけられる仕組みになっていた。


「それでは、まずモーツァルトのメヌエットを流します。しっかり聴いてください」


AI教師が声を発する。音楽室ではサーバーシステムで自動的にA組、B組、C組の担当AIが切り替わるようになっていた。


授業が始まるとスピーカーから滑らかな音色が流れ、AI教師が自動で音量を調整する。音の質は高く、生徒たちは思わず静かに耳を澄ませた。


「すごいな、音楽室でもこんなふうに自由に曲を流せるんだな」


織田が感心してつぶやく。


「事前調査によると、AI教師は授業の一環として曲を流し、最後に生徒の演奏を評価するまでがセットらしいよ」


隣で山崎が得意げに答えた。


「なるほどな」


「それではリコーダーを使って楽譜通りに演奏してください。本日は出席番号1番から5番まで行います」


AI教師が続けて指示を出す。


「はーい、わかりました」


生徒たちの元気な声が音楽室に響く。その瞬間、山崎が小さく「ビンゴ」と呟きガッツポーズをした。


「広瀬さん、楽器室にあるリコーダーをみんなに配布してください」


AI教師の指示に、広瀬は席を立ち、奥の扉を開けてリコーダーを取りに行く。


出席番号1番から5番の生徒が、モーツァルトの楽曲に合わせて次々演奏を始める。AI教師のモニターには楽譜が表示され、彼らの演奏をリズムよくサポートしていた。


最後の生徒が席に戻ると、AI教師は筆記授業に移る。


「上手に演奏できましたね。予習復習を心がけてテストに備えてください」


生徒たちは自然と拍手を送り、音楽室に和やかな空気が広がる。


「それでは筆記授業を始めます。音楽の三要素は何ですか?」


AI教師が問いかけると、生徒の一人が手を挙げる。


「メロディとハーモニーと…あともう一つは…」


「あと一つはリズムです。惜しかったですね」


AI教師が優しく答えると、教室には「ああ、そうだった」と声が漏れ、再び拍手が起こる。AI教師の授業は、生徒たちに不思議な一体感をもたらしていた。


「皆さん、パソコンに答えを入力してください。暗記して復習を繰り返すように心がけてください」


AI教師の指示に従い、生徒たちはパソコンに向かって打ち込み始める。爽やかな音楽が流れ続け、教室は落ち着いた雰囲気に包まれていた。


「先生、これは何の曲ですか?」


京本が手を挙げて尋ねる。


「いい質問ですね、京本君。今日は水曜日で天気も晴れ。ビートルズの『Good Day Sunshine』を選曲しています」


AI教師が即答すると、生徒たちは興味深そうに耳を傾けた。


「みんな静かにして。もうすぐ次の授業が始まるから片付けて教室に戻りましょう」


広瀬が立ち上がって声をかける。


「広瀬さんの言う通りです。まもなく音楽の授業は終了し、次は体育の授業になります。武田教師からの指示があります。グラウンドに集合してください」


AI教師も続けて指示した。


生徒たちは「はーい」と返事をし、パソコンを閉じて立ち上がる。背伸びをする生徒や腕を回す生徒もいた。


すると織田が困ったように窓へ目をやり、質問を投げかける。


「先生、窓が開かないんですけど、どうやって開けるんですか?」


「窓はオンラインの自動ロック機能で施錠しています。今、解除しますね」


AI教師が応えると、ガチャという音がしてロックが外れた。織田は大きな窓を両手で開けると、外の新鮮な空気を深く吸い込んだ。

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