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剣に力を  作者:
太古の猛戦士
7/7

偵察その1 ポイズン

会議の次の日、ラング・ナーズの偵察部隊に任命されたガイアとカウルは村長に呼び出された。

「偵察において重要なのは、相手の弱点をつかむことじゃ。だから、これらを持っていきなさい。」


村長は木で作られた弓と火打石、そして黒曜石で作られた短剣を差し出した。


「アタシは短剣はいらないよ。もう持っているからね」

「いいや、実はな、この短剣にはトリカブトの毒を塗っている。毒がどれくらい効くか調べたいからの」

ニヒヒ、と村長は笑みを浮かべる。


「ひぇー、刃には触らないようにしなきゃってヤツだぜ」

ガイアは村長の思い通りの恐怖顔を浮かべる。


「なるほどねー、毒か。確かにあのマンモスに効くかもしれないねぇ。でも、もし効かなかったらどうするんだい」


「まさか、効かないなんてことはないじゃろ。トリカブトの毒は強力じゃ。」

村長はニヒッと笑う。次にカウルは、火打石を指さす。


「この火打石は何に使うんだい?」

「矢に火をつけて、ラングを(あぶ)るんじゃ。火がどれだけ効くか調べたいからの」

村長は前と同じような言葉を繰り返す。


「でも、それじゃ周りの木も燃えてしまわないかい?」

「そりゃ、やむを得ないってヤツだぜ」

ガイアが急に割り込む。


「そう......じゃな」

村長がボソッと言う。


「それじゃ、これ持って偵察行ってくるってヤツだぜ!」

「おっと!忘れとったわ。これを持っていきなさい」

村長は袋に入った食糧を2人に渡した。


「いや、結構大事なモン忘れてんな!ボケたか!?」

カウルはツッコミが幾分も増してキレッキレである。


「うむ、ここは村長の寛容さで許してやろう。それでは行ってらっしゃい、踏み潰されないようにな」

カウルに意味深な笑顔を向けながら見送る。


「行ってくるってヤツだぜ!」

「行ってくるわ!」

そう言って2人は巨獣が住む山の方へ向かっていった。


ガイアとカウルで走り方が違うせいか、どんどん距離が開いていく。もちろん、カウルの方が速い。


「アンタ!遅せぇんだよ!もっと速く走りなさい!」

「ちょっと!アンタが速すぎるんだぜ!もっとゆっくり走れってヤツだぜ!ハア、ハア......」

ガイアは息切れしながら必死にカウルを追いかける。


走っている内に、2人は目的の山へ着いた。カウルとガイアで状態に差がありすぎる。


「アンタ、こんなんで息切れしてんのかい?情けないねぇ」

「───────ハア、ハア、ハア、ハア......」

ガイアはあまりの息切れで何も言うことが出来なかった。


「仕方ないから、ちょっとここらで休憩してやるとするか。」

「ハア......ああ......」

ガイアから息切れと共に安堵(あんど)の声が漏れる。


2人はその場に座り、食料の入った袋を開ける。

「エホッ!エホッ!」

ガイアは息切れ故に何回か咳をした後、袋の中を漁り始めた。その中には、何粒ものブルーベリー、大きな鹿の肉が入っていた。


ガイアは水分をとって咳を収めるために、ブルーベリーを食べた。......何回か深呼吸したあと、咳は収まった。


「大丈夫かい?」

「ああ、大丈夫ってヤツだぜ」

その後、2人は黙って食事をしていた。カウルがゆっくり口を開く。


「予備の食いモンは......残して...おけよ...」

「分かってるってヤツだぜ...」

なぜか空気は気まずかった。そのような空気を振り払うように


「それじゃあ、出発ってヤツだぜ!」

とガイアは明るく振る舞う。

カウルは軽く伸びをした。

「山道は危険だからな。ゆっくり歩いてやるよ」


ハハ、とガイアは苦笑いする。


歩いてしばらくすると、山の鞍部(あんぶ)に出た。そこには数体のマンモスがいた。


「そういえば、あのマンモスって小さくもなれるんだよな?もしかしたらこの中に『ラング・ナーズ』がいるかもな。」

「な!怖いこと言うなってヤツだぜ!」

「ほら、アイツとかちょっとデカいだろ?」


カウルがそう言った瞬間、少し大きめのマンモスの牙が急に大きくなったように見えた。


「なあ、アイツ、牙がデカくならなかったか?」

「ああ、オレもそう見えたってヤツだぜ 」

2人で「まさか......」とハモる。


その瞬間、『ラング・ナーズ』は咆哮(ほうこう)を上げた。どうやら人類たちは、巨獣にとっては捕食対象のようだった。


ラングは通常のマンモスの2倍くらいの大きさになった。あの時と比べたらだいぶ小さいものの、やはり圧倒される。


ラングは足で地ならしをする。地面が揺れ、立ってもいられなくなる。


「そうだ!毒ってヤツを!」

ガイアは咄嗟に短剣を投げる。ラングの前足に見事に突き刺さる。ラングは痛そうに、再び咆哮を上げる。


「ナイスだ!ガイア!毒が効くまで逃げて時間を稼ぐよ!」


カウルは一本の木に瞬時に登り、他の木々を伝ってラングから離れていく。


ガイアはただ山道を走る。何回か石に(つまず)いて転びそうになりながらも、ラングとの距離は少しずつ開いていく。


そうして少し経つと、ラングの様子が変わった。何かに苦しんでいる。毒が回ったのだ。耳をパタパタさせながら(もだ)え、体がどんどん小さくなっていく。


「やったか!?」

カウルが叫ぶ。


「それはフラグってヤツだぜ!」


ガイアの予想は的中。短剣でできた傷は徐々に塞がり、また体が大きくなり始める。どうやら、まだまだ戦いは続きそうなのであった。

果たして原始人はフラグなんて言葉を知っているのでしょうか?私には分かりません。

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