表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣に力を  作者:
太古の猛戦士
5/7

ゴルドの誇り その2

ダルグとゴルドは互いを見つめ合う。


ゴルドは、戦慄していた。自分の、今の状況に。


私が負けるなんて......嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


私がアイツに圧倒されて負ける、そうなれば私の立場はどうなってしまう?きっと村長からは見放され、村人たちからは冷たい視線を浴びることだろう。そしてダルグはリーダーになるだろう。......アイツからは見下され......


ゴルドの頭の中には恐ろしい光景が高速で駆け巡っていた。だが、ゴルドはやらなければならない。決心して、槍を再び構える。


ゴルドは頭の中の(おぞ)ましい光景を振り払い、ダルグに勝つために思考し続ける。


だが、審判をしている村長バヌトゥ、そして野次馬の村人たちの視線がプレッシャーとなり上手く頭が働かない。


一方、ダルグも少し焦っていた。このままではゴルドに圧倒的に勝ち、彼のプライドを傷つけてしまう。おそらく前の演技は逆効果。


どうする?どうすれば相手のプライドを傷つけずに済む?だがやはり、頭は働かない。


2人とも、ヤケクソになった。お互い真正面から()り合うことにした。


お互い突進し、棍棒と槍がぶつかり合う。ゴルドの槍が棍棒によって折れる。そしてその勢いのまま、ゴルドの腹に直撃。ゴルドの体は吹っ飛び、床に2度、3度跳ね返る。そしてやがて、ゴルドはピクリとも動かなくなった。


「勝負あり!ダルグの勝ち!」

村長が声を上げる。


「うおー!」

「ダルグすげー!」

野次馬たちの歓声も上がる。


ダルグは心配していた。ゴルドはどう思っているのだろうか?とりあえず、記憶喪失にでもなってこの戦いを忘れて欲しいと思った。


夜になって、ゴルドは村長の家の寝床に運ばれていた。ダルグも見舞いに行く。


そこに村長がいた。そばにいるゴルドはまだ目覚めていない。心做(こころな)しか、表情が強ばっているような気がした。


ダルグを見た村長が話し始める。

「さっきの戦い、ご苦労だった。正直、君の強さを見誤っていた。......ということで、君が今回の作戦のリーダーじゃ。」


「は、はい!」

と、たどたどしく返事をした。


だが、やはりゴルドのことは気にかかっていた。この機会なので、村長に相談してみることにした。


「───────村長、オレ、ゴルドにどう思われていますかね?」

「どう思われている、とは?」

「その......オレ、ゴルドのプライド、多分傷つけたじゃないですか。だから、その、恨まれてないかなー、とか」


村長は顎に手を当てる。

「うーむ、はっきり言おう。きっとダルグを憎んでいるじゃろう」

「やっぱり、そう、ですよね」

「ああ、じゃが、それは払拭できる」

「払拭?」

「ああ。ちゃんとリーダーとして、仲間と本気で事に取り組めば、ゴルドもお前をリーダーにして良かったと思うじゃろうな」


そうか......オレは無意識にゴルドをいつの間にか下の存在として扱っていたのかもしれない。だから、ゴルドのプライドがどうとか気にしていた。だから、対等に接することが大事なんだ。本気でぶつかり、本気で語り......


そう、本気で。そうすれば手加減とかそういうことをするよりもきっと受け入れられるだろう。


そのとき、ダルグの心の鎖が、1つ外れたような感じがした。


「そっか、ありがとう!村長!」

「ああ!今日はゆっくり休みなさい!」

ダルグは家の出口へと走っていった。村長はまだ目覚めないゴルドの方へ目を見やった。ゴルドの表情が、少し笑っている......?


ダルグは帰り道でガイアと会った。

「話は聞いたってヤツだぜ。ゴルドに勝ったってヤツだろ?」

「ああ、まあな。」

「スゲェーー!あのゴルドに勝つなんて!俺の親友がこんなに強かったなんてヤベェってヤツだぜ!」


正確には、ダルグ自身の強さではない。この棍棒のおかげだ。だから、強いって言われると何かモヤモヤする。


ガイアはダルグの肩に手を組む。

「てすると、お前がリーダーってヤツだよな?これからよろしくな!リーダー!」

「アア、アハハ......」

ダルグは苦笑する。


とにかく、オレはリーダーとなった。オレが皆を率いて、あの巨獣ラング・ナーズを倒すのだ。そう心の中で意気込んで、ガイアとは別れた。


ダルグは家に着いて早々、寝床へと駆け込んだ。昨日の夜よりも心が軽い。直接、ゴルドと話し合ったわけでは無い。けれど彼は、彼の意志をぞんざいに扱ったオレを許してくれる気がした。


オレが子どもの頃から、村長の言葉には救われている気がする。さすが今年で162歳。オレたちとは根っこから違うんだ。経験が違う。


オレにとってはリーダーなんて初めての経験だ。きっと誰かに頼ってしまうこともある。だけど、それでいい。オレは部下たちとは対等でいたいのだから。


明日は作戦会議だ。明日に向けて、お休み。

前の話の続きですが、村長の声優は緒方賢一さんが良いかなって思ってます。よくよく考えたらゴルドと村長で烈海王と郭海皇のコンビできますね。

by実はバキ好きな蒼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ