表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣に力を  作者:
太古の猛戦士
4/7

ゴルドの誇り その1

朝が訪れた。軽いような重いような朝が。ダルグは枕元に置いてあった棍棒を手にとる。


以前、『棍棒から手を離せない。離そうとしたら手元に戻ってくる』と言ったが、『捨てよう』という意思さえなければ別に置くことはできるらしい。融通が()くようで少し安心したが、自分の心を読まれているような感じで少し不気味だ。


ダルグは伸びをし、外へと歩き出す。

───────空はとてもよく晴れている。真夏の太陽がが地面を鋭く突き刺し、陽炎(かげろう)が揺らめく。それと連動するように、ダルグの不安も揺らめく。


この棍棒は強い。その代わり、力の制御が難しい。マトモに歩ける所まで入ったが、相手をなるべく傷つけないように戦えるかは分からない。つまり、今日はぶっつけ本番だ。ダルグはゆっくり深呼吸をする。


そこにガイアが来る。

「おはよう!村長とゴルドが待ってるってヤツだぜ!」

ダルグは、昨日とは違う愉快な声に少し安心した。

その雰囲気に乗せられるように

「よっしゃ!じゃあ、訓練場に行くか!」

と答える。そして2人は訓練場へと向かっていった。


訓練場に着いた。そこでは村長とゴルド、の他にも野次馬が数十人いた。ダルグは緊張からか、地面の砂が、夏日であるにも関わらず冷たく感じる。


ゴルドは余裕な表情で

「ダルグ、ようやく来たか。」

と、愛用の槍と共に迎える。


「ダルグー!遅ェぞ!」

「ゴルド様にボコボコにされちまえ!」

という野次馬の声も聞こえる。


「ゴルド、少しは手加減するんじゃぞい。」

と、村長バヌトゥが警告する。


「それじゃ、位置につくんじゃ!」

その言葉で、ダルグとゴルドの目つきは鋭くなる。


「───────よーい、始めェ!」


先に動いたのはゴルド。槍を持ってダルグに向かって突進する。ダルグはそれをひらりと(かわ)す。ゴルドの一瞬の隙を、ダルグが棍棒で反撃。ゴルドは直撃は避けるが、棍棒を振った時にでた衝撃波で体が吹き飛ばされる。野次馬たちは驚いて目を見開く。


「なッッッッ!」

ゴルドにとって初めての体験だった。武器を振った時の衝撃波で飛ばされる。しかも、素人に。


ダルグ、お前、実はスゲェヤツだったのか?それならアイツがリーダーに......いいや、そういう訳には......アイツがリーダーになるのならなぜ私は......ッ!


一方ダルグは『ヤベッ!』と思っていた。やはり力の制御がまだ上手くいかない。ゴルドに手加減しなければ、オレはゴルドの顔を汚してしまう。だから、せめてギリギリの戦いに。


ゴルドはさすが狩りのプロだ。しっかり受け身をとって体制を立て直した。そして、次は遠くから様子を見始めた。野次馬たちも緊迫感が高まる。


ダルグは少しづつ、少しづつ近付いていった。そして棍棒を大きく振りかぶり、ゆっくりと振り下ろす。


ゴルドはそのゆっくりさに少し困惑しながらも、攻撃を避けた。待てよ、私はもしかして手加減されているのか?そんなはずはッ!手加減されるのはダルグの方では!?


ゴルドはダルグの攻撃を注意深く観察する。やはり、動きが明らかに遅い。そんなのではそこら辺の鹿すら狩ることは出来ない。


次はゴルドが攻撃する。槍でダルグの体を優しく吹き飛ばしてやる。


「うおーーーっ!イッテーーー!」

とダルグは大袈裟な反応をする。全く外傷はない。

なんだ、これは。なんという気分なのだ。やはり手加減されている。いや、演技下手すぎるだろ。野次馬たちはポカーンとしている。


ゴルドは心の中でツッコミを入れつつも、今の自分の状況を受け入れられていなかった。分かった。そんなに私を侮辱したいのなら、私は本気でやってやろうじゃないか。


「はあーーーー!」

と雄叫びを上げながらダルグに突進する。やはり躱され、ダルグからの強烈な一撃をもらう。ゴルドの体がまた吹き飛ばされる。分かった。ダルグには力では敵わない。ちょっと頭を使う必要があるようだな。


ゴルドは深呼吸しながら、頭を働かさせる。そうだ。あの棍棒を奪ってしまえばいい。あの棍棒を、この槍で弾き飛ばす。さすがにダルグとはいえ、素手で戦うのはキツイだろう。


そうしてまた、ゴルドは突進する。槍を体に突き刺す、と見せかけて武器を弾く。この頭を使ったフェイントが見事に刺さり、ダルグの棍棒は弾き飛ばされ、宙を舞った。そして地面に落ちる。野次馬たちはおおっと声をあげる。


よっしゃ!あとはダルグに畳み掛ければ......


───────その時だった。ゴルド、村長、そして野次馬たちは奇妙な光景を目にした。ダルグの手元に棍棒が戻っていくのだ。───────


ゴルドの中に「負け」という字が浮かんだ。私は......ダルグに勝てないのか......?絶望の日差しが、ダルグを神々しく照りつける。

たまにこのキャラにはどんな声優が良いのかな?とか考えたりします。ゴルドは小山力也さんが良いかなーと思っています。まあ、この小説がアニメ化されるなんて、遠い夢ですが......


現実は厳しいね by 蒼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ