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もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜  作者: 四片霞彩
初デートinニューヨーク

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55/86

第55話

 セントラルパーク内にあるシープ・メドウに着いた時には、時刻は二時近くになっていたが、ピクニックをする人達でそこそこ賑わっていた。

 清涼な風が吹き抜ける青々と茂った芝生の上では、小さい子供を連れたお母さん達、休憩中なのか楽しそうに話しているオシャレな女性達、膝の上に本を広げて話しているカップル、日向ぼっこをする老人達、昼寝をする男性などが居たのだった。


「この辺りにするか」


 楓さんは周囲に人がいない場所を見つけると、途中で購入したレジャーシートを広げる。

 私はパンプスを脱ぐと、持っていたカバンとビニール袋を傍らに置いて、足を伸ばしたのだった。


「歩き疲れて、お腹空いちゃいました」

「俺もだ」


 私は途中で購入したアイスコーヒーを楓さんに渡すと、自分用に買ったアイスティーに口をつける。ひんやりとした冷たさとストレートティーの茶葉本来の味が身体中に染み渡った。


「早速、食べるとするか」

「先にウェットティッシュをどうぞ」


 カバンからウェットティッシュを取り出すと、テープ式の蓋を開けて楓さんに渡す。


「気が利くな」

「日本でもいつも持ち歩いていたので」


 楓さんがウェットティッシュを取ると、私も自分の分を一枚取って手を拭く。

 それから楓さんと手分けして、ビニール袋の中身をレジャーシートの上に並べていく。中にはここに来るまでに調達した食べ物がいくつか入っていた。

 サラダ、ピザ、ホットドッグ、プレッツェル、デザートのヨーグルトもあった。

 楓さんによると、セントラルパークの周辺には、テイクアウト出来るお店が多いらしく、テイクアウト専門店まであるらしい。今回立ち寄ったお店の中にも、そんなテイクアウト専門店があった。


「もしかして、買い過ぎましたか……?」

「食べ切れなかったら、夕食にすれば良いんじゃないか」


 ここがアメリカなのを忘れて、ついあれもこれも買ってしまったが、少食の楓さんと食べるには少し量が多いような気がした。

 気を取り直して、料理を食べ始めたが、どれも日本とは違った味付けで新鮮な気持ちになったのだった。


「どれも美味しいですね!」

「そうだな」

「サラダも新鮮な野菜を使っていて水々しいです。ドレッシングも適度に酸味があるので食べやすいです。食べてみますか?」

「ああ。少し食べる」

「ここに来るのは初めてですか?」

「何度か来たな。大体、所長かジェニファーに連れられてだが」


 あまり会話が盛り上がらず、それどころか楓さんはどこか不機嫌そうな顔をしていたので、やがて私はフォークを動かす手を止める。


「すみません。一人でずっと喋っていて、うるさいですよね」

「小春?」


 楓さんはピザをトレーの上に置くと、不思議そうな顔をする。


「一緒に出掛けられたのが楽しくて、美味しい物を食べられたのが嬉しくて、つい調子に乗ってしまいました。気づかなくてすみません。静かにしますね」


 思い返せば、日本に住んでいた頃、いつも私が一方的に話していた。楓さんも相槌くらいしかせず、会話が成立した事があまり無かった。

 もしかしたら、楓さんは静かな方が良いのかもしれない。それか、私とは話したくないか。


 すると、楓さんは「違う。そうじゃないんだ!」と慌て出す。



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