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東国の勇者の場合⑧

 王宮はかなりの広さがあった。都内の有名ホテルくらいの広さは十分に超えているだろう。正方形の造りをしていて。部屋数が無数に感じられるほど存在する。おそらく住居と戦闘拠点が兼ね備えられていて、使用人の部屋もあるとするとそれだけの部屋が必要になってくるのだろう。

 庭もかなり広く畑や小さな田んぼ牧場までも備えられている。おそらく、王宮内での籠城戦に備えての事だろう。地下には広大な貯蔵庫が供えられていた。地下深くに作られていて、かなり気温も低い。

最初に見たときはよくもこれだけ深く掘ったものだと感心した。素人目に何年の工事になるかと考えただけで頭が痛くなりそうだった。

王宮の土地としては皇居と同じくらいの広さがありその土地全てが、自分の身長の3倍はあろうかという高さの塀で囲まれていた。塀の中を人が通れるような設計になっているようでかなり分厚く設計されていて、ガタイのいい兵士が二人と比べてもまだ余裕のあるほどの厚さがある。外側にはのぞき窓もついていてそれによって敵軍の進行を捕捉しているらしい。

その時はこの王宮のある島で攻め込まれているということであるから。籠城を決め込んでいるということだろう。出来れば、自分はそういう場面に出くわしたくない。

一度外に出て確認してみたが王宮の外観は石造りの和風建築といったところだった。

やはりこの国は明治維新後の日本のような形なのかもしれない。日本の文化の中に西洋の文化が入り込みその時代独特の文化を形成している。王宮内の使用人の服装を見てもそうである。和装の物を洋装に作り直したかのような襟は着物のようになっているが、中にY シャツのようなものを着て外側は洋装の形に整えられている。

メイドの格好もそうだ。着物のような服の上に洋物のエプロンをしている感じだった。ここにきて一番に抱いた印象を強くするものだった。

「ここまでがこの王宮内の全容です。何か質問はございますか?」

ここまですべてをリニアさんが案内してくれていた。しかし、こういうときに何か質問を求められても結構何も思い浮かばないものである。少し考えてみて、ちょっと見てみたいものを思いついた。

「そういえば、軍の訓練場とかってどっかにあったりするんですか?」

「訓練場ですか、、、」

リニアさんの顔が少しゆがんだ。何かあるのだろうか。

「そうですね、かしこまりました。ではご案内します。」

「ありがとうございます。」

これはありがたい。これからどんな結果になろうと軍にはある程度かかわる必要性が出てくるはずだ。どういった人物がどういった訓練をしているのかを早い段階から知っておいて損はないはずだ。

 しかし、このリニアさんの反応を甘く見たことを自分はこの後ひどく後悔した。

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