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東国の勇者の場合52

一旦、魔法の訓練は中断となった。アルスレッドが国王に今回の一件を報告するとのことらしい。今回の処分によっては生きられなくなるのだろうか。

そういえば、資料の中に勇者の実力について詳しく語っているものは無かった。どう言ったことだろうか。その様に大事な事ならば記録に残しておいた方が便利であると言うのに。

もしくは、まだ他に隠された資料があるのか。もしそうならば、自分はまだまだ、この国で一切の信用を勝ち取れてないことになるし、この国の情報収集のシステムはそこが知れない。

今回の一件で自分が一番に痛感しなければならないのが、勇者という立場の信頼度はそれほどまでに高くなく、脆弱な存在だということだ。だとするならば、貴族たち全員の一貫している対応にも納得がいく。皆、半を押したように無頓着と言った態度を露骨に見せていた。こちらへの関心は極端に薄く、どこか遠ざけるような、興味など無いとアピールするかのような印象。

最初は、初対面の人間だからだと思っていたのだが、おそらく少し違う。無頓着ではなく出来る限り関わり合いになりたく無いのだ。どちらにどう転ぶか分からず、得体の知れない人間を自分に引き入れたいなどと考えるのはよっぽどの物好きか、異常なほどの野心のある人間しかいないだろう。

 そして、最初に会った、三人の貴族はよっぽどの物好きと異常な野心を持った人間だったということだろう。そんな風に考えれば三人の行動にも説明がつく。

 そう考えるとモーリス卿は言わずもがなだが、マーティン卿は意外だった。かなり変わった人間であることは事実だが、その陰に相当な野心を持っていたということになる。どこまで本気であのキャラクターなのかはわからないが、動向はチェックして関係性を築いておいた方がいいかもしれない。

 と、ひとりで考えたまではいいが、特段やることもなく暇になってしまった。一応アルスレッドからこの場所を動くなと言われたが、それはそれで退屈過ぎる。少しでも体を動かしておこう。

 筋トレをしていないため体に筋肉がついておらず細くは見えるがこれでも武術の心得がないわけではない。とはいっても、飽きて速攻で練習の手を抜き始めたが、、、

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