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東国の勇者の場合45

「ご無沙汰しております。先日は大変失礼いたしました。」

謝罪と共に跪いたその姿は凛々しくも勇ましい姿をしていた。その美しい姿に見惚れ一瞬の沈黙が流れた。

「あまり気にしないでください。自分も後からとんでもないことを知ったので。」

不覚にも少し緊張して慌ててしまった。

「改めまして、私『アルスレッド・ブラッディ』と申します。以後お見知りおきを」

「こちらこそ。勇者のケンマ・アズマネと言います。よろしくお願いします。」

それにしても、兵士というものはここまで美しい動きが出来るのかと感心してしまう。国王の直属となれば一般兵士より厳しい訓練が行われているのは容易に想像がつく。

 女性のような美しさと、男のような力強さ両方を兼ね備えていて、同性とは言え本当に見惚れてしまう。息を飲むという言葉の意味を嚙み締めることが出来た。

「では、後はアルスレッドに任せますので、私は失礼します。」

「ありがとうございます。」

自分のお礼が聞こえているのかどうかわからないタイミングで頭を下げながら出ていった。


アルスレッド・ブラッディと二人だけになった。何だか妙な緊張感が走る。

初対面のときに剣を突き立てられてからの印象しかなかったため、ギャップがあり過ぎてしまった。

しかしすぐに初対面思い出し、警戒心が出てきて、身体が緊張で強張って行くのがわかる。

「あまり警戒しないでもらえると助かります。」

アルスレッド・ブラッディの顔が少し綻んだ。こちらも安心して身体が緩んできた。

「貴族の方々にへあいさつをされて何も無かったようなので、それだけ信頼を勝ちうる事が出来たのだと思いまして、敵意を出すほどの事ではないと。貴族の方々は皆さん警戒心の強い方々ばかりなので。」

なんだか少し含みがある。

だが、あの貴族たちがそんなに疑り深い人達だったとは。最初のモーリス卿くらいしかそんな感じはしなかったが、、、

「いや、すみません。自分もあの時は必死でだったもので。でも、信頼していただけて何よりです。」

そう言って差し出した手は大きな音を立てて弾かれた。

「勘違いしないでください。私があなたを信頼したわけではありません。ただ的ではないというだけです。」


アルスレッド・ブラッディは低い声と共に不気味に微笑む

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