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東国の勇者の場合44

自室に戻り今後の事を考えた。

とりあえず、今自分がこの世界で学びたいことは魔法である。一体どんな原理で使用出来るのだろうか、そこが知りたい。

そのためには教えてくれる、講師のような存在がいた方が良いだろう。自分が知る限りで講師に適任というか頼まれて受けてくれそうなのは1人しか思い浮かばない。


「私が、ですか?」


「はい、正直リニアさんしか自分が頼むことのできるひとが他に見当たらなくて。」

正直何かを頼むことができる関係性を築けて信用ができるのがこのひとしかいないし、このひと以外に頼むのは気が引ける。

「そうですか、、、」

何やら不満げとは少し違うが、困ったような表情になる。

「大変申し上げにくいのですが、私には魔法の心得があまりないのです。」


『魔法の心得がない』


正直それは意外だった。兵士としてたくさんの伝説を残し自分も文字ベースではあるが、それをいくつも見てきてはいた。

 さらには、この国の兵士やリニアさんに気づいた人間の態度である。正直、勇者である自分よりも尊敬されているかのように見ることができる。そこまでの人物であるから当然強さの秘密も魔法にあると思っていた。肉体強化や高速移動など、兵士が使うのに必要な魔法はいくらでも思いつく。そういったものを駆使していないということだろうか。

「それじゃあ、戦闘になった時とかは魔法は使ってないんですか。」

リニアさんの顔が少し曇った。何か失礼なことを聞いてしまったのだろうか。

「大変お恥ずかしいのですが、私は魔法の適性があまり高くなく、基本的な魔力操作しか使うことができないのです。」


『魔力操作』


新たな言葉が出てきた。まぁ、ファンタジー物の流れ的にはこの魔力操作を行って魔法を使うのだろう。正直自分はこの魔力操作だけでも教えてほしいのだが、この口ぶりを見る限りそうはいかないのだろう。

「わかりました。だとすると、正直自分には魔法を教えてもらうようお願いできる方が思い当たらないのですが。」

正直、このままリニアさんに魔力操作を教わりたい。会ったこともない人間に教わるなんて吐き気を催しそうだ。

 それに、魔力適正についても知りたい。その二つを教わっている間に新たな、指導者は見つかるはずだ。それからでも遅くはないのではないだろうか。

 リニアさんは自分のそんな思考を無視するかのように揚揚としゃべり始めた。

「ですので、我が国王軍の魔法のスペシャリストにお越しいただいています。入ってきてください。」

そう言って入ってきたのは、この世界へ転生した初日に自分の首元に刃を突き付けた少年だった。


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