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東国の勇者の場合41

しっかりと聞いてみると勇者として召喚された女性が村の青年と出会って恋に落ち、子を成したということだった。なぜ今、貴族の地位にいるのかというと元々貴族として取り立てられていた勇者と結婚したことでその地位に就いたということらしい。昔のことだったり、勇者の情報ということで親族であっても調べることを制限されているらしい。

やはり、勇者というのはそれだけで特別なのだろう。

そこから、どう転じたのかはわからないが、勇者=恩人という図式が出来上がったwらしい。一族として先祖を重んじる過程とその恩義から今の目の前の光景に繋がるというわけだった。

「貴重なお話ありがとうございます。」

「こちらこそ、私めにあなた様に仕えるご機会をいただきありがとうございます。」

ん?

頭にいっぱいはてなが浮かんでいると、ウィリアム卿はさっきと同じ様に跪き、

「今回勇者様が召喚なされたこと大変嬉しく存じます。したがって我々、コンプトン家は勇者様に対し忠誠を誓い、従者としてお仕えいたします。」

そうかだった


・・・・・・・は?


とりあえず、ちょっと待って欲しい。どうにかして冷静になりたいのだが、突然のことすぎて理解が追いついていない。

「私は全て差し出し、あなたにお仕えするようにと育てられて来ました。そして今のこの地位は勇者ケンマ・アズマネ様、貴方へと。」

「ちょっと待ってくれ、俺はそんなこと頼んでない、、し、、、、、」

断ろうとした時にふと考えが思い浮かんだ。

「いや、ウィリアム卿」

「なんでございましょうか」

「今言ったことに嘘偽りはないな。」

「ええ、女神様に誓って」

なる程、言質はとった。こういった宗教色の強そうな国で宗教的に強い縛りをわざわざ自分から作ってくれた、これは大きい。

「そうか、では従者として付き従うのではなく、私への協力者としてその貴族の地位を保持し続けて欲しい。」

そう、これだ。自分に絶対の協力を約束する貴族が1つあるのかどうかは天と地ほどの差がある。はっきり言って従者になってもらって自分が地位を引き継ぐより、自分にとっては都合が良い。

「協力者ですか?」

少し不思議だと言ったような様子である。

「ええ、その通りです。私としては、貴族の中に絶大な信頼をおけるに人物が欲しいのです。貴族という地位よりも。」

「かしこまりました。勇者様のおっしゃれる通りに私はこの地位と権力を行使することを誓いましょう。」

何とか話が決着を見せたようだ。

正直、貴族になんて祀り上げられようものなら、どんないざこざに巻き込まれるか。そんなことたまったもんじゃない。

「では、その証として、我が妹のエリナ・コンプトンを勇者様に嫁がさせていただきます。」

この妄信馬鹿はいったいどれだけ変化球を出せばよいのだろうか。

 断らなければいけないことがまた一つ増えてしまった。

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