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東国の勇者の場合30

 領主について話しているとリニアさんが窓の外を指さした。

「ケンマ様、見えてきましたあちらが今回お会いする方のお屋敷になります。」

リニアさんの指さす方を見ると屋敷が遠めに見てきた。見た目的には西洋にある城のように感じた。全体を見た感想としては国王が住む王宮よりも城ように見える。王宮の方が屋敷と呼ぶ方が似合っている気がする。

 さらに、まだ屋敷まで距離のある段階でこれだけはっきりと見えるのだ。小さな島の中でも少し小高い丘の上に建てられているのだろう。こんな建て方をするときの利点は2つある。

1つ目は攻め込まれた時に気づくことかできやすくなる点である。少し小高い所から全体を見ることができるため、守りの体制に入りやすいのである。だから、防御力がこの領地はかなり高いことがわかる。

2つ目はどこからでも見えるようにすることによって領民全体に権威を示すことができるのである。領地のどこからでも見ることの出来る屋敷というのはそれだけで存在感があり、見る者に対してそれだけの威圧感を与える。それだけで権威の象徴、さらには権力の象徴として存在するのだ。

こういう建て方をするのは大体が後者のイメージがあるが、実際にどうなのだろうか。入り口を枡形にしているあたり警戒心が強そうなので前者にも思えるが会ってみてのお楽しみということだろう。

それにしてもあまりにも、領主のつかみどころがない。リニアさんからも特に情報が出てこないし、語っている内容が伝聞である。役職や功績を聞くと各領主と面識がありそうなものだが実際そうではないのかもしれない。結構、この世界の事情は面倒でよくわかっていないのだと痛感する。本当に自分はこの世界について何も知らなすぎる。これじゃあ、いつどこで足元をすくわれるかわかったもんじゃない。

そんなことを考えていると屋敷の門の前へと到着した。屋敷自体も巨大な壁で取り囲まれている。おそらく島を囲っている壁が突破されたときに住民をこの中に避難させて最終防衛のかなめとするためだろう。やはりすべてが防御のために作られていると思った方がよいか。はたまたその両方か。どちらにしろ疑い深い人間であることには変わりないと思う。

リニアさんだけが一度馬車を降り、門番と何かを話し始めていた。馬車の外で行われた会話のため中に乗っている人間には何一つ聞こえなかった。だが、この島に入って一番最初に会話し門番と同じような会話だろう。なぜなら門番の対応が二人とも一緒だからだ。

するとリニアさんが戻ってきた。

「さぁ、入りましょう。もうすぐ領主の方に合うことができます。」

また馬車が進み始めた。

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